2014.11.25更新

2014年F1世界選手権が幕を閉じました!

 

 今年もF1世界選手権、シリーズ全19戦が終わりました。ワールドチャンピオンはメルセデスAMGのルイス・ハミルトン、コンストラクターズタイトルもメルセデスAMGが獲得しました。日本人ドライバー小林可夢偉は、所属チームがシーズン途中で売却され、その後倒産と不運な1年となりましたが、大いに楽しませてもらいました。来年はF1のシートがないようですが、いずれまたその勇姿を見せてもらいたいものです。

 

ジュール・ビアンキが事故で重傷!

 

 今年は、鈴鹿GPで、ジュール・ビアンキが雨のなかダブルイエローフラッグ区間でコースアウトし、同じ場所でクラッシュをした他のマシンの撤去作業中の重機に衝突して脳挫傷の重症を負いました。大変悲しいことですが、危険を伴うモータースポーツでは、ときどき起こりうる事故です。

 

ドライバーは泣き寝入り?

 

 こんなとき、ドライバーは誰かに責任を追及できるのでしょうか、それとも悪天候を恨むしかないのでしょうか。

 

 モータースポーツは危険と隣り合わせの競技です。ドライバーもそのことを承知でレースに参加しています。したがって、通常想定される範囲の危険に対しては了承済みとして原則として違法性はないといえます。

 

サーキットの管理運営にミスがあれば責任追及も可能

 

 しかし、事故が、サーキット自体の構造や被害防止措置に本来備わるべき安全性が備わっていなかったことが原因の場合はどうでしょうか。サーキット自体は「土地の工作物」ですから、サーキットの占有者である主催者もしくはサーキットの運営者又は所有者は、土地の工作物の設置又は保存の瑕疵があったことを理由に損害賠償責任を負担しなければなりません(民法717条)。

 

 また、サーキットの運営者は、レース事故により被害が発生する危険性があることを事前に予測できますので、その危険性に応じた被害発生防止措置をとらなければなりません。したがって、今回のように他のマシンの撤去作業の方法に仮にミスがあったとすれば、不法行為に基づく損害賠償責任(民法709条)を負わなければなりません。

 

チームにも責任が発生することも! 

 

 さらに、事故の原因が、マシンの整備不良、チームの指示ミスにある場合は、チームがドライバーに対して不法行為(民法709条)又はドライバー契約に基づく安全配慮義務違反(民法415条)に基づく損害賠償責任を負うことになるでしょう。

 

 今回の事故は、1994年5月のサンマリノGPで死亡したアイルトン・セナ以来の重大事故と言われています。ドライバーの安全性に対しては特に注意が払われているスポーツ競技ですが、F1に対する情熱だけで報酬なしで走るドライバーもいる世界ですので、FIA(国際自動車連盟)には、より一層ドライバーの安全性に対する対策を検討してもらいたいと思います。

 

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あんしん相続相談ガイドに掲載されました。
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