2014.12.08更新

ゴルフスイングで事故!

 

 かつて、駅のホームで、傘をゴルフクラブに見立ててスウィングをしている人をよく見かけましたが、最近は殆ど見かけません。

 

 ゴルフと言えば、社会人になってゴルフデビューする人も多いと思いますが、夢中になりすぎて周りの人に危険をもたらさないように注意したいものです。

 

 ゴルフクラブの練習スイング中の事故として過去に問題となった事例を調べてみると、次のようなものがあります。

 

ゴルフ練習場での事故

 

 ゴルフ練習場の隣の打席との設置間隔が狭かったため, 練習者のゴルフクラブが隣の打席の練習者の頭部に当たって怪我をさせた事件がありました。

 この事件では、被害者がゴルフ練習場を訴えましたが、裁判所は、練習場の設置と保存に瑕疵があったとして、ゴルフ練習場の経営者の損害賠償責任を認めました (被害者の過失6割、千葉地裁昭和46年10月29日判決)。

 

 また、同様の事案で、バックスイング時に隣の打席にいた者の前額部にゴルフクラブが当たって負傷させた事件について、今度は被害者が加害者を訴えた事件で、裁判所は、前の打席にいた加害者の損害賠償責任を認めました(被害者の過失7割、東京地方裁判所八王子支部平成元年2月1日判決)。

 

空き地でスイング中の事故 

 

 このほか、空き地でゴルフクラブの素振り練習をしていたところ、素振りの衝撃でクラブヘッドが折れて住宅地内に飛び込み、住民に怪我をさせた事件ついて、 素振り練習者に損害賠償責任を認めたものがあります(大阪地裁昭和36年7月31日判決)。

 裁判所は,練習者が周囲の状況に照らしてスイングの強さ、地点、方向等を選定するのに十分に注意を払うべきであるとしました。

 

路上でスイング中の事故


 路上でのスイング練習中の事故として、 付近をたまたま自転車で通りかかった主婦の胸部にドライバーのヘッドが強打し、心臓挫創で死亡させた事件について、裁判所は、路上でゴルフクラブの素振りをする者は、周囲の状況、殊に接近して来る通行人の有無について十分注意を払い、通行人にゴルフクラブが当たる危険があるときは直ちに素振りを中止して通行人に道を譲り、危険がないことを確認したうえで素振りを行うべき注意義務があるとし、路上でドライバーを素振りした者に、損害賠償責任を認めました (被害者の過失なし、大阪地裁昭和63年3月10日判決)。

 

 ゴルフクラブは時と場所を間違えると凶器になりますので、注意しなければなりません。駅のホームで傘ゴルフをする場合も同じです。

 

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あんしん相続相談ガイドに掲載されました。
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