2015.09.27更新

3年越しの裁判が終わった!


 先日、3年越しで争っていた裁判が終わりました。3年というと、どんな大事件かと思われるかもしれませんが、実はよくある貸金の返還を求める裁判でした。

 

 貸金の裁判というと、普通は借用書があって、返済しなければならない金額にも争いがなく、裁判では、どうやって支払っていくか、という和解の話しだけが進んでいくことが多い事件です。

 

 しかし、この事件はそうではありませんでした。

 

 借用書はなく、あるのはノートにメモ程度に書いた金額と日付、借りた本人の署名があるだけでした。貸した時期も10年以上前で、貸した回数は10回以上、しかも本人は既に他界。裁判は、相続人を相手に貸金の返還を求めるものでした。

 

裁判では証拠が全て

 

 本人が生きていれば、金額の横に自分の署名があるノートを出されれば、それが借りたお金なのか、もらったものなのか、本当にお金を受け取っているのか、そうでないのか、などを争うことはそれほど多くないです。しかし、本人が亡くなっていると、裁判の相手は事情を全く知らない相続人ですから、貸した当時の証拠のみが手がかりとなります。

 

 貸主としては、相続人から、「借りたかどうかわからない」、「借用書がないのはおかしい」、「本人は援助を受けていた可能性もある」と反論されれば、「そうでない」ということを一つ一つ証明していかなければなりません。

 

 ノートだけでは心細いので、当時の通帳や税務申告資料などを手がかりに収入と資産状況を精査し、10回以上に及ぶ貸したお金の一つ一つについて、お金の流れを逐一証明し、これを相手が受け取ったことを相手の通帳の証拠提出を求めて、証明していきます。

 

 相手の通帳は当然には訴訟には提出されませんので、銀行に対して裁判所から提出を命じてもらいます。銀行も簡単には応じませんので、裁判所から通帳履歴の提出命令を出してもらい、記録を出してもらいます。それでも、通帳の保管期間の関係で全てが提出されるとは限りません。

 

リスク管理が大切

 

 このような一見簡単そうにみえる裁判も、悪条件が重なると長期戦となります。どんなに親しい間柄でも、借用書と領収書はきちんと用意してお金を貸すべきだと痛感させられました。

 

 結果は、ほぼ満額の返還を受けられる内容で和解が成立しましたが、結論に至る3年間は、依頼者にとっても、非常にストレスの連続だったと思います。

 

 今回の件に限らず、どのような場合でも万が一に備えて、争いとなれば何が起こるのか、その場合に何が必要となるのかを考えて行動する習慣をもつことが大切です。


 争われる余地を残さなければ紛争にもなりませんので、予防の意味でも心がけておきたいものです。

 

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投稿者: 弁護士好川久治

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あんしん相続相談ガイドに掲載されました。
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