2014.11.29更新

ゴルフ場は危険がいっぱい!

 

 秋も深まり芝も枯れてゴルフプレーヤーにとってはスコアアップのチャンス到来です。山々と広大な空に囲まれて思いっきりスイングをしてグッドショットをしたときの爽快感は忘れられないものです。

 

 他方、ゴルフのプレーをしていると、たまに隣のコースから「フォア―」の声とともにボールが飛んできたり、後続の組のプレーヤーが打った球が先行する組のプレーヤーの近くに落下したりするなどのニアミスもよくあります。


 また、同じ組で回っている仲間同士、キャディさんも、ボールを引っかけたり、シャンクで打球が右に飛びだして、ヒヤリとすることもありますので、プレーヤーは周りでラウンドをしている人の動静に十分注意しなければなりません。

 

高額の損害賠償義務を負うことも

 

 もし打球が人に当たって怪我をさせた場合には、プレーヤーは不法行為に基づく損害賠償責任(民法709条)を負わなければなりません。また、結果が重大であれば、刑事事件として立件され、重過失致死傷罪(刑法211条後段)で処罰される可能性もあります。


 これらは初心者であっても同じです。初心者は初心者なりに、その技量、飛距離等に応じて自己の打球が飛ぶ方向と距離を予測してプレーをしなければなりません。つまり、打球が人に当たって怪我をさせないよう、必要に応じて球を打つのを一時中止したり、タイミングを調整したり、打球の方向の人に注意を促したり、移動を指示したりする義務があります。

 

 被害者が、ショットする位置より前に出ていたり、打者に注意を向けなかったりするなど被害者側にも落ち度がある場合には、その分、プレーヤーは責任が軽減されますが、それでも怪我の程度によっては数百万円から数千万円という相当高額な損害賠償責任を負わなければならないことがあります。

 

 楽しいはずのゴルフが一瞬で悪夢とならないよう、マナーを守りながらプレーを楽しみたいものです。 

 

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2014.11.25更新

2014年F1世界選手権が幕を閉じました!

 

 今年もF1世界選手権、シリーズ全19戦が終わりました。ワールドチャンピオンはメルセデスAMGのルイス・ハミルトン、コンストラクターズタイトルもメルセデスAMGが獲得しました。日本人ドライバー小林可夢偉は、所属チームがシーズン途中で売却され、その後倒産と不運な1年となりましたが、大いに楽しませてもらいました。来年はF1のシートがないようですが、いずれまたその勇姿を見せてもらいたいものです。

 

ジュール・ビアンキが事故で重傷!

 

 今年は、鈴鹿GPで、ジュール・ビアンキが雨のなかダブルイエローフラッグ区間でコースアウトし、同じ場所でクラッシュをした他のマシンの撤去作業中の重機に衝突して脳挫傷の重症を負いました。大変悲しいことですが、危険を伴うモータースポーツでは、ときどき起こりうる事故です。

 

ドライバーは泣き寝入り?

 

 こんなとき、ドライバーは誰かに責任を追及できるのでしょうか、それとも悪天候を恨むしかないのでしょうか。

 

 モータースポーツは危険と隣り合わせの競技です。ドライバーもそのことを承知でレースに参加しています。したがって、通常想定される範囲の危険に対しては了承済みとして原則として違法性はないといえます。

 

サーキットの管理運営にミスがあれば責任追及も可能

 

 しかし、事故が、サーキット自体の構造や被害防止措置に本来備わるべき安全性が備わっていなかったことが原因の場合はどうでしょうか。サーキット自体は「土地の工作物」ですから、サーキットの占有者である主催者もしくはサーキットの運営者又は所有者は、土地の工作物の設置又は保存の瑕疵があったことを理由に損害賠償責任を負担しなければなりません(民法717条)。

 

 また、サーキットの運営者は、レース事故により被害が発生する危険性があることを事前に予測できますので、その危険性に応じた被害発生防止措置をとらなければなりません。したがって、今回のように他のマシンの撤去作業の方法に仮にミスがあったとすれば、不法行為に基づく損害賠償責任(民法709条)を負わなければなりません。

 

チームにも責任が発生することも! 

 

 さらに、事故の原因が、マシンの整備不良、チームの指示ミスにある場合は、チームがドライバーに対して不法行為(民法709条)又はドライバー契約に基づく安全配慮義務違反(民法415条)に基づく損害賠償責任を負うことになるでしょう。

 

 今回の事故は、1994年5月のサンマリノGPで死亡したアイルトン・セナ以来の重大事故と言われています。ドライバーの安全性に対しては特に注意が払われているスポーツ競技ですが、F1に対する情熱だけで報酬なしで走るドライバーもいる世界ですので、FIA(国際自動車連盟)には、より一層ドライバーの安全性に対する対策を検討してもらいたいと思います。

 

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2014.11.23更新

雨の日の転倒事故

 

 雨の日にスーパーやコンビニに入ると客が持ち込む傘の滴が床に落ちて滑りやすくなっていることがあると思います。急いでいるときなど、足を取られて転びそうになった経験はないでしょうか。

 

 私自身は、幸い大きな怪我をしたことはないですが、過去には転倒して骨折したという方から相談を受けたことがあります。

 

 屋外であれば、雨の日に地面が濡れて滑りやすくなっていることは容易に分かりますし、自己責任で納得できるケースもあると思いますが、店舗内で同じような転倒事故があれば、やはり店舗の管理責任を問いたくなる気持ちになるのでしょう。

 

お店に損害賠償責任が発生することも!

 

 先例でも、店舗内で、雨でぬれた床の清掃が不十分で客が転倒して怪我をしたケースで、店側の管理責任を問われ、損害賠償責任が認められたケースがあります。
 

 つまり、店舗には、「不特定多数の者を呼び寄せて社会的接触に入った当事者間の信義則上の義務として、不特定多数の者の日常ありうべき服装、履物、行動等、例えば靴底が減っていたり、急いで足早に買い物をするなどは当然の前提として、その安全を図る義務がある」とされるわけです。

 

 骨折をして後遺障害がのこれば、数百万円から数千万円の損害が発生しますので、店側の負担もばかりなりません。

 

転倒した方にも責任が!

 

 もちろん、店舗を訪れる客側にも、雨で床が滑りやすくなっていることは容易に予想できますので、足元に注意を向け、急がず慎重に歩くことが期待されますので、発生した損害から相当大きな過失分が減額されることになります。過失割合は事例ごとに様々で一般化することは難しいですが、半分程度は客側が負担を求められることが多いのではないでしょうか。

 

 怪我をした方も怪我をさせたお店も、ともに痛い結果ですので、雨の日の濡れた床には気をつけたいものです。

 

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2014.11.21更新

スキーシーズンが到来!

 

 ここ数年、冬になればスキーに出かけます。ゴンドラで山の頂上に登ったときに見える雪に覆われた雄大な山々の景色は最高です。気分も爽快で、一気に山を滑り降りると何とも言えない満足感を得られます。

 

 ところが、気を許してしまうと、スキー板は遥か彼方へ…。そのとき思うのは、自分一人でよかった、人に怪我をさせなくてよかった、という反省の気持ちです。昨年の暮れには、元F1ドライバーのミハエル・シューマッハがゲレンデで転倒して頭部を強打し、意識不明の重体になった事故があり、他人事ではないと感じます。

 

遊びやスポーツとはいえ怪我をさせれば責任が発生する!

 

 スキーシーズンが到来すると、スキー場での事故の相談を受けることがあります。スキーやスノボーは娯楽やスポーツですから、お互い危険を承知で楽しんでいるのだから怪我をしてもお互い様だと軽く考えている人もいると思います。

 しかし、簡単な事故ならともかく、骨折や失明、脳挫傷で意識不明、死亡などの重大事故になれば、そうも言っていられません。

 

 先例でも、スポーツだからという理由で免責を認めるケースは殆どなく、「スキー場において上方から滑降する者は、前方を注視し、下方を滑降している者の動静に注意して、その者との接触ないし衝突を回避することができるように速度及び進路を選択して滑走すべき注意義務を負う」として、怪我をさせた加害者に損害賠償責任を認めています。

 

 打撲や足首捻挫程度の軽傷なら10万~20万円程度で済みますが、骨折でもさせれば入通院の治療費、通院費、休業損害、慰謝料などで簡単に100万円を超えます。また、しびれや痛みなどの簡単な後遺障害が残っただけで300~400万円、手足に機能障害が残れば1000万円を超えてしまいます。さらに、遷延性意識障害や死亡事故に至れば1億円を超えることもありえます。

 また、加害者は、重過失致死傷罪として立件され、罰則を受けることもあります。

 

 予想外の事故に対しても適切な対応を!

 

 事故を起こしてしまった場合は、被害者の安全な場所への退避と救護、スキー場管理者への連絡、救急車の要請、警察への連絡など必要な措置をとり、被害者には謝罪と定期的な見舞いを尽くしていくべきです。
 また、補償の問題にも対応できるよう個人賠償責任保険への加入も忘れないようにしたいものです。

 

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2014.11.19更新

恋愛にも節度が!

 

 恋愛に駆け引きはつきものとは言うものの、度を越してしまうと思わぬしっぺ返しを食らうことがあります。

 

 相談として多いのは、既婚の男性が独身と偽って女性と性的関係を結び、結婚を約束したというケースです。この場合、客観的には不貞関係になりますので、騙された女性は法的に保護されず泣き寝入りということにもなりそうです。しかし、それではあまりにも正義に反します。

 

慰謝料を請求されることも!

 

 この場合、女性は嘘をついた男性に対し、貞操等の人格権侵害を理由に慰謝料を請求できる余地があります(民法709条、710条)。既婚者と知っていれば関係を持たなかった、まして結婚を約束することもなかった、結婚を期待していたのに裏切られた、と悔しい思いをする女性の立場からすれば当然と言えるでしょう。

 

 過去には、既婚者だと偽って結婚相談サービスに登録して女性と関係をもった男性に慰謝料の支払義務を認めた先例もあります。また、積極的に独身と偽らなくても、既婚者であることを秘して性的関係を結び結婚を強く期待させていた場合も、責任が認められることがあります。

 

 請求が認められるかどうかはケースバイケースですが、常識的にみて、あまりにも酷い、踏んだり蹴ったりだ、と思える事案であれば、裁判所も被害を受けた女性を保護しようという判断に傾くでしょう。

 

 実務上は示談で解決するケースが殆どです。慰謝料額は100万円前後で解決することが多いですが、妊娠中絶をした、出産した、長期間交際があった、など慰謝料を増額させるケースがあれば、さらに増額できることもあるでしょう。

 

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2014.11.17更新

飼い犬の咬みつき事故ってこんなに発生しているの!

 

 最近、大量のペットが公園等に捨てられているというニュースを見ました。ペットブームで犬を飼う家庭が多くなったことが背景にあるようですが、物を捨てるように扱われる犬が気の毒です。他方で、犬が加害者となる咬傷事故も毎年かなりの数発生しています。件数自体は年々減ってはいますが、それでも全国で毎年4000件以上の事故が認知され、数件ですが、死亡事故も発生しています。

 

 咬傷事故の原因はさまざまです。放し飼いをしていた、リードを離してしまった、子供に大型犬の散歩をさせていた、など飼主のちょっとした不注意が事故の原因となっています。 

 

飼い主には重い責任が! 

 

 そこで、愛犬が人を咬んでしまった場合の飼主の責任について考えてみました。飼犬が人に怪我をさせた場合、民事、刑事の両面で責任が発生します。

  

 まず、刑事上の責任では、不注意で人に怪我をさせてしまったことについて、飼主は、重(過失)致死傷罪(刑法209条、210条、211条後段)に問われます。

 死亡事故や重傷事故でもなければ、被害届も出されず当事者間で解決され、警察が動くこともあまりないでしょうが、飼主の責任としては無視できません。

 

 次に、民事上の責任では、飼主には、動物占有者として損害賠償責任を負います(民法718条)。動物はコントロールがきかないと危険物となりますので、飼主には動物の種類及び性質に従って相当の注意をもって飼育管理する責任があるとされています。

 

賠償責任は1千万円を超えることも!

 

 飼犬が人に怪我をさせた場合の損害賠償の内容について、シミュレートすると次のようになります。
 

【怪我の内容】

 被害者は30歳の兼業主婦。犬に咬まれて転倒し、右上腕骨骨折、左前腕犬咬傷、臀部打撲で全治3ヵ月。事故後2週間入院し、退院後も4ヵ月間の通院を必要とした。完治した後も、右腕が思い通りに動かないという後遺障害が残った。

 

【損害の概算】
<治療費> 約100万円、
<休業損害> 約70万円(入院期間は100%、通院期間は50%の就労不能)
<入通院慰謝料> 約110万円
<後遺障害慰謝料> 約290万円(1上肢1関節の機能障害12級)
<逸失利益>   約800万円
<交通費>    約5万円
<物損>     約5万円
<入院雑費>   約2万1000円 (2週間)       
    合計)   約1382万1000円

 

 ちょっとした不注意が招いた事故であっても、責任は一瞬で数千万円に達することがあります。飼主は、十分注意するとともに、万一人に怪我を負わせた場合に備えて個人賠償責任保険に加入しておきたいものです。

 

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2014.11.11更新

側溝の蓋の管理者である市に賠償命令が!

 

 京都市西京区の市道を自転車で走行していた77歳の男性が、側溝の蓋の間にタイヤが挟まり転倒して負傷した事故で、男性は京都地裁に対し、市に約442万円の損害賠償を求める裁判を起こしていました。

 

 この事件で、裁判所は、平成26年11月6日、安全性を欠いた側溝の蓋についての市の管理責任を認め、市に約324万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

 判決では、男性側の自転車がタイヤ幅の狭いロードレーサータイプの自転車であった点を考慮し、請求額を約2割減額しました。

 

道路の危険に対しては国や自治体に責任が発生することがある! 

 

 このように、道路の設置又は管理上の瑕疵を問題とした国家賠償請求事件はよくみられます。

 たとえば、原動機付自転車で走行中に市道上の段差でハンドルを取られて転倒負傷した事件(被害者側の過失3割)や、路側帯を歩行中に水路に転落して怪我をした事件(同3割5分)、歩道の一部である蓋付U形側溝の上を歩いていた歩行者が持ち上がっていた蓋につまずいて転倒し負傷した事件(同8割)、深夜自転車で歩道から水路の有蓋部分を進行中、無蓋部分で水路に転落して死亡した事故(同4割)などです。

 いずれも道路管理者である市町村の国家賠償責任を認めています。

 

道路には危険がいっぱい!

 

 国家賠償法2条1項は、「道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる。」と定めています。

 道路やその周辺の側溝の蓋等は、「公の営造物」に該当し、これらの営造物が通常有すべき安全性を欠いた状態(瑕疵)で放置され、その結果他人に損害を与えた場合は、国や公共団体は被害者に対し損害賠償責任を負うことになります。

 

 道路だけでなく、道路脇からせり出した枝木が原因で怪我をしたというような場合も、これらを管理する市区町村に対し、国家賠償法2条1項に基づき損害賠償を請求していくことが可能です。

 かつて同様の事故があったとか、周辺住民からの通報があって市町村が危険性を認識していたとか、歩行者の安全歩行に支障が生じるほど道路にはみ出していたなどの事情があれば、市区町村の責任が認められることがあります。

 

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2014.11.09更新

運転代行業って?


 車でお酒を飲みに出かけたとき、自分で運転して帰ると飲酒運転となります。そんなとき利用するのが「運転代行」です。

 

 運転代行業は、飲酒により安全に自動車を運転する能力、適性を欠く顧客に代わって顧客の自動車を安全に運行して目的地まで送り届けることを引き受けるサービスです。業者は、都道府県公安委員会の認定を受けて営業をしています(自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律4条)。

 

運転代行業者が事故を起こしたら頼んだ客も責任を負うの?

 

 それでは、依頼した運転代行業者が事故を起こして他人に怪我を負わせた場合、依頼した顧客にも責任が発生するのでしょうか。

 

 自動車損害賠償保障法3条によると、「自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によって他人の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる」ことになっています。

 

 同法3条で責任を負うのは「運行供用者」と呼ばれている者で、自動車の運転をコントロールできること(運行支配)と、自動車の運転によって利益を受けていること(運行利益)を有する者を意味すると考えられています。

 

 代行運転を頼んだ顧客は、自らの意思で代行を依頼し、代行業者に対して必要な指示をなしうる立場にありますので「運行支配」があるといえます。また、代行運転により、安全に目的地まで送り届けられるという利益を享受する立場にありますので、「運行利益」もあるでしょう。

 したがって、顧客は、自動車損害賠償保障法3条の「運行供用者」に該当し、代行業者が起こした事故の責任を負うことになります。

 

客は自分の自動者保険を使えないことも! 

 

 業者が事故を起こしても顧客が任意保険に加入していれば大丈夫ではないか、という声も聞こえてきそうですが、一般の任意保険では、運転代行業者のような自動車取扱事業者が車を使用ないし管理している間に事故を起こした場合を補償対象から外していることが多いので、自分の任意保険は使えないことになります。

 

 自動車運転代行業法は、代行運転業者に一定基準以上の保険加入を義務づけていますが、未加入あるいは補償不十分な場合も考えられます。
 リスクを回避するためにも、信用と実績のある運転代行業者を選ぶとともに、必要かつ十分な保険に加入しているかどうかを事前に確認しておきたいものです。

 

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2014.11.07更新

 こんにちは。港区虎ノ門の弁護士好川久治です。

 

 昨年、美白化粧品を使用した消費者が顔や首筋などに瘢痕ができたとして世間を騒がせました。被害者の数は、2万人近くにのぼるそうです。現在もなお、被害者とメーカーとの補償問題が未解決で、裁判になっている事案もあります。化粧品に限らず、脱毛エステや美顔器の使用でやけどをしたという相談もあります。

 

 被害を受けた消費者は、化粧品や美顔器の販売店や施術をしたエステサロンに対しては契約に基づき、美顔器や化粧品のメーカーに対しては不法行為(民法709条)又は製造物責任法(PL法)に基づき損害賠償責任を追及していくことになるのが一般的です。


 損害の中身は、治療費、通院のための交通費、療養治療のための休業補償(有給取得分も補償されます)のほか、入通院に伴う慰謝料、後遺障害等級に応じた慰謝料、将来の逸失利益(失われた利益)などになります。

 

 慰謝料は、入通院期間、通院の頻度に応じて、例えば1ヶ月通院した場合は16万円~29万円の金額を請求していきます。顔や首筋など目に見える箇所の火傷や色素脱失などの醜状痕が残った場合は「後遺障害」と認定されることがあり、障害の程度に応じて、例えば、顔なら10円銅貨の大きさ以上の、首なら鶏卵の大きさ以上の人目に付く瘢痕(傷跡)が永久に残った場合には、後遺障害等級12級に相当し、後遺障害慰謝料は250万円~300万円程度になります。

 

 安全だと思って商品を使用し、施術を受けた消費者にとってはやりきれない思いで一杯でしょう。せめて責任のある事業者やメーカーに対しては、しっかり補償を求めていきたいものです。

 

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2014.11.05更新

 こんにちは。港区虎ノ門の弁護士好川久治です。

 

 前回とは反対に、子供が喧嘩をして怪我をした場合の対処方法を考えてみます。

 

 何よりもまず、被害の発生状況、子供の関与の有無・程度について、子供、学校、友人からできるだけ早く、正確な情報を集めることです。時間が経てば隠ぺいや責任回避の動きが出てきますので、できればその日のうちに対処すべきです。

 学校内、学校の登下校中の怪我の場合は、学校に強く働きかけて当事者意識を持ってもらい、事実関係の調査をはじめ、事件解決に向けての主体的な関与と協力を求めることが大切です。必要があれば警察に被害届を出すことも考えなければなりません。

 

② 治療費はどうすればよいでしょうか。

(1)治療費は、健康保険を利用できますので当面の負担を減らすためにも健康保険を利用してください。喧嘩であれば被害児童にも落ち度のあるのが通常ですから、健康保険を受けるメリットは大きいです。

 

(2)学校内や登下校中の喧嘩の場合は、計画性がなければ、独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度を利用できますので、申請の手続をしてください。

 

(3)ご自身で加入する傷害保険(共済)、傷害特約による保険金(共済金)の請求も忘れないでください。

 

(4)加害児童側が加入する個人賠償責任保険は、喧嘩の場合に免責になる可能性がありますが、念のために加害児童側を通じて保険会社に保険金が支払われるかどうかを確認してもらってください。

 

(5)以上の方法が奏功しないなら、加害児童の親に対し、当面の治療費だけでも内金として支払ってもらうよう交渉してください。

 

③ 示談交渉は、治療が全て終わってから本格的に始めます。加害児童の親との直接の交渉では話が進まないこともありますので、学校に間に入ってもらうことを考えてください。特に、学校が加害児童の指導の責任を問われるようなケースでは、学校自身の問題として介入を強く申し入れるべきでしょう。

 

④ 話し合いが行き詰ったときは、弁護士に依頼をして示談交渉を進めるのが効果的です。このほか、弁護士会の紛争解決センターの示談あっせん、簡易裁判所の民事調停などの制度を利用することも検討してよいでしょう。

 

⑤ 話し合いによる解決が困難であれば、裁判に訴えるしかありません。この場合でも、審理の過程で早期に和解で解決できることもありますので、ここぞというときには躊躇せず利用を考えたほうがよいでしょう。

 

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