2014.11.27更新

Q.事故を起こしたときに注意することは?

 

A.交通事故では、事故がどのように発生したかが争いになることがよくあります。事故の発生の仕方によって、損害賠償の過失割合や、刑罰の要否・程度が変わってくるからです。

 

 誰でも自分の責任を軽くしたいと思うのが人情ですが、必ずしも意図的なものばかりとは限らず、突然のことで事故直前の車の動きを見ていなかったり、記憶が失われていたり、勘違いをしていたりと争いとなる原因はいろいろです。

 

 争い方も、事故直後に意見が食い違う場合もあれば、最初は非を認めていたのに時間が経つにつれて全く違うことを言い出して責任を回避しようとする場合もあります。

 

 いずれの場合も、事故態様について争いがある以上、証拠によって証明していかなければなりません。このとき、証拠価値の高い証拠をたくさん持っている方が有利です。

 最近はドライブレコーダーを常備している車が増えてきましたので、証明手段としては非常に心強いです。

 

 もしドライブレコーダーがない場合は、どうすればよいでしょうか。


 とにかく事故直後に周りを見渡して証拠となりうるものがないかどうかを確認することが大切です。
 

 目撃者がいれば連絡先を聴いて後日証言してもらう、近くに防犯カメラを設置しているお店等がないかどうかを確認して録画を保存しておいてもらう、スマートフォンや携帯のカメラで現場の様子をカメラやビデオに収める(事故車両の破損状況、ブレーキ痕、相手車両を発見した時点、ブレーキをかけた地点、衝突箇所、車両の位置関係などが分かるように撮影します)、ビデオに収めるときは、事故直後の記憶をもとに、撮影対象が何を意味するかを解説する音声を録音しておく、などです。

 

 決定的な証拠がなくても、相手の言い分と矛盾する客観的証拠(動かしがたい証拠)があれば、相手の言い分を崩すことが可能です。争点が少なければ少ないほど示談交渉も進めやすくなり、紛争の早期解決につながりますので頭に入れておきたいところです。

 

 ところで、事故直後に当事者間で穏便に話しをつけようと警察を呼ばないことがありますが、これは危険です。事故を起こした以上、運転者は警察に通報することが法律上義務づけられています。

 

 あとで事実関係が争いとなったときに警察に届け出ても、警察は捜査に難色を示します。
 事故直後であれば当事者も事故を素直に受け止めて、あれこれ考える暇もありませんので、より真実に近い証言が得られますが、時間が経てば経つほど人は自分に有利になるよう話を作り変えようとする傾向がありますので、警察も何が真実かを把握できなくなるからです。

 したがって、事故を起こした場合は、物損事故でも人身事故でも、直ちに110番通報をして警察に臨場してもらってください。

 

 また、人身事故の場合は、物損で終わらせることは極力避けるべきです。物損扱いですと、警察を呼んでも事故に関する当事者の言い分が簡単なメモ程度にしか残りませんので、あとで事故態様が争いとなったときに困ります。

 

 人身扱いとすれば、事故直後あるいは事故後近い時期に、当事者が立ち合いのうえ現場検証をしますので、道路状況、路面状況、スリップ痕の痕、交通規制、当事者から見た事故発生前後の様子、破損した事故車両を撮影した写真などが実況見分調書や写真撮影報告書として残ります。

 

 裁判になれば、これらは大変有効な証拠となります。裁判所は、これらの証拠書類、当事者の言い分、交通事故鑑定人の意見などを踏まえ、経験則に基づき事実を認定します。

 

 もし、証拠が乏しく事故態様が証明できない場合は、いずれの主張も採用されず、一般的な過失割合で決着をつけざるをえません。それが自分に有利な結果であればよいですが、不利な内容ですと、嘘をついた者が得をする結果となり正義に反します。

 

 どんなに小さいことでも事故直後から証拠を収集するという頭で動くように心がけることが必要です。

 

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投稿者: 弁護士好川久治

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あんしん相続相談ガイドに掲載されました。
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