2015.05.29更新

Q.先月、自転車で通勤途中、前方から走ってきた車が道路工事を避けて自転車側に寄ってきました。私は、道路脇に寄って停止しようとしたところ、ちょうど側溝の鉄製の蓋が浮きあげっていたので、その蓋にタイヤを取られて転倒してしまいました。警察の実況見分の結果、転倒は、道路脇の鉄製の蓋が老朽化のために折れ曲がり、浮き上がっていることが原因であることが分かりました。私は、道路を管理する国又は県に治療費等を請求することはできるのでしょうか。

 

A.道路を管理する国や公共団体には重い責任が!

 

 自転車の転倒の原因が、道路脇の側溝の鉄製の蓋が外れやすくなっていたことにあったということですので、道路を設置し、管理する国又は公共団体に対し、怪我による損害の賠償を請求することができます(国家賠償法2条1項)。

 

 道路は、自動車や自転車だけでなく、子供から高齢者まで様々な歩行者が日常利用する場所ですから、高い安全性が求められます。特に、道路の陥没や危険な段差、マンホールや側溝の蓋あるいは道路脇のフェンスが外れているなど、当然安全だと期待されるべき営造物に欠陥があれば、重大事故につながる可能性がありますので、その設置又は管理に責任を負う国や公共団体には重い責任が課せられます。

 

国家賠償法に基づく損害賠償請求 

 

 質問者のケースも、道路工事でスムーズな往来に制約があったなかで、自転車が自動車を避けて道路脇に寄らざるをえない状況は容易に予想されることですし、そこに折れ曲がり浮き上がっている鉄製の蓋が放置されていたとすれば転倒事故が発生することは容易に予想されます。

 国や公共団体が、このような危険な状況を放置したことによる責任を負うことは当然と言えるでしょう。

 

 質問者は、怪我の治療に掛かった入通院費用、交通費、仕事を休んだことによる補償、怪我の治療に伴う精神的苦痛に対する慰謝料等を、道路を管理する国や公共団体に対して請求していくことが可能です。

 

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投稿者: 弁護士好川久治

2015.05.23更新

Q.先月、父が亡くなりました。私には姉と兄がいますが、父は生前私が独身で不憫に思ったのか、遺産を全て私に譲るという遺言を書いてくれて、私に預けました。遺言書は封筒に入れて保管していますが、今後どうすればよいでしょうか。


A.自筆証書遺言の保管者は開封前に家庭裁判所で検認手続を!

 

 遺言は、自筆証書遺言のようですから、保管者である質問者は父が亡くなった後、遅滞なく、遺言書を父の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に提出して、検認の審判を申し立てなければなりません。

 遺言書が封書におさめられ封印されている場合は、家庭裁判所で相続人やその代理人の立会いがなければ、開封することができないことになっています。

 遺言書の検認手続をせずに遺言を執行したり、封印されている遺言書を家庭裁判所外で開封したりすると、5万円以下の過料の制裁を課せられることがあります。

 

遺言書の存在を隠して相続手続を進めると相続人の資格を失うことも!

 

 検認の審判は、相続人に対して遺言書の存在と内容を知らせるとともに、遺言書の形状、訂正の有無・方法、日付、署名の仕方、保管方法など、検認の日における遺言書の内容を明らかにすることにより、遺言書の現状を記録にとどめ、遺言書の偽造や変造を防止するための手続です。

 

 検認は、遺言書の現状を保存するための手続ですので、検認がなされたかどうかは遺言書の効力には影響しません。検認をしたからと言って無効な遺言書が有効になることはありませんし、逆に、検認がされなかったからと言って有効な遺言書が無効となるわけでもありません。

 

 なお、遺言書の存在の知りながら検認をせず、しかも他の相続人にも遺言の存在を隠して遺産分割協議を進めた場合には、遺言を隠匿したものと見られて、相続人の資格を失うことがありますので注意が必要です。

 

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2015.05.20更新

Q.私は姉と二人姉妹で、姉は嫁ぎ、私は独身です。母は3年前に亡くなり、私は父と二人で暮らしてきました。父が2年前に脳梗塞で倒れて車椅子生活をするようになってからは私が父の介護を続けてきました。
 父も私の将来のことを心配し、父の財産を全て私に譲ってくれると言って、公正証書遺言を作成してくれました。
 ところが、姉が父から自宅の権利証を渡され、持ち出してしまいました。私は、姉に対して何か言えることはあるのでしょうか。

 

A.父の本心を確認しなければなりません

 

 まず、父が姉に自宅の権利証を渡した本心を確認しなければなりません。単に預けただけなのか、姉が父を惑わしたり、騙したりして父の意思に反して権利証を持ち出したのか、自宅を姉に譲ろうとしたのか、いろいろな事情が考えられます。

 

 父が姉に権利証を預けたのであれば、なんのために預けたのかを父に確認してもよいでしょう。
 父は健在ですから、たとえ父が質問者のために遺言を残してくれていたとしても、亡くなるまでは、自宅は父の財産ですから質問者が父の意思に干渉することはできません。

 しかし、父は脳梗塞で倒れて自由がきかない状態で、しかも高齢であるとすれば、預けることの意味を本当に理解しているとは限りません。物事を理解し、判断する能力に衰えが見られるなら家庭裁判所で成年後見人を選任することも検討しなければなりません。

 仮に、父が姉に権利証を預けた理由がはっきりしているなら、父の意思が正しく実現されるよう、介護する妹として姉の行動に目を光らしておく必要があるでしょう。

 

成年後見人の選任を検討する

 

 次に、姉が父の意思に反して権利証を持ち出したのであれば、父のために権利証を返還するように姉に要求すべきです。これは、法的な要求ということではありませんが、父の意思に反して大事な権利証を持ち出すこと自体、穏やかではありませんから、姉妹として当然要求すべきでしょう。先ほどと同様に、父の判断能力が不十分になっているなら成年後見人を選任し、後見人から姉に対して返還を求めるべきです。 

 権利証だけで自宅を無断で処分できるわけではありませんが、実印や印鑑カードまで渡しているようなら悪用の危険がありますので、念のために改印手続をしておいたほうがよいでしょう。

 

父の本心なら尊重されるべき!

 

 以上に対し、父が本心から姉に自宅を贈与したり、売却したりするつもりで権利証を渡したとすれば、それは父の意思ですから質問者がとやかく干渉できることではありません。

 質問者にしてみれば、父の介護をして、父からも財産を全部あげると遺言まで残して貰っていますので、姉に対して不満を抱くのは無理もありませんが、父が遺言に反する生前処分をしたとすれば、その部分について遺言は撤回されたことになりますので(民法1023条2項)、遺言を理由に文句を言うこともできないでしょう。

 


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2015.05.17更新

Q.公正証書遺言を作成するメリットと作成方法を教えてください。

 

A.公正証書遺言は信用できる公文書!

 

 公正証書遺言は、公証役場で遺言者が公証人の面前で遺言の趣旨を口授(口頭で趣旨を伝えることです)し、公証人が遺言者から聞いた内容を書き記して、遺言者と出頭した証人二人に読み聞かせ、内容に間違いがないことを確認したら遺言者及び証人二人がそれぞれ署名捺印をし、最後に公証人が署名捺印をして出来上がります。

 

 公正証書遺言は、公証人という公務員が職務上作成する公文書ですので、内容が改ざんされたり不明確のため後日争いになったりする心配がありません。遺言者の遺言能力や遺言の意思に問題があると争われることも少ないです。

 

全国どこの公証役場からも遺言の存否を確認できる! 

 

 また、遺言が公証役場に保管され、全国どこの公証役場からでも遺言の有無、保管場所を検索できますので、遺言の控えが紛失したとしても保管場所で写しの交付を受けて内容を確認することができます。


 このほか、筆談や手話通訳でも遺言を作成できますので、口のきけない人や字の書けない人でも作成できますし、他の遺言のように遺言者の死後、家庭裁判所で検認を受ける必要もありません。

 

 他方、要件を満たす証人が二人必要となることと、費用がかかることが多少難点です。ただ、上記メリットを考えると、遺言は公正証書遺言にしておくことが確実です。」

 

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2015.05.11更新

Q.私は既に70歳を超え、昨年大きな病もしましたので、最近は自分が死んだ後のことを考えるようになりました。資産は自宅の土地建物と多少の預金、上場株式、ゴルフ会員権などがあります。家族は、妻と子供二人です。子供はいずれも独立しています。うち一人は私が大病をしたときに介護をしてくれて老齢の妻も私も大変助かりました。多少遺産を多く残してあげたいと思いますが、どのような遺言を残せばよいでしょうか。

 

A.相続する遺産の割合を指定するか、個々の財産の取得者を決めるかの違い!

 

 方法としては、遺産を多く残したい子に本来の法定相続分(4分の1)より大きめの相続分(例えば3分の1)を指定して、妻ともう一人の子で残りの相続分(例えば3分の2)を分け合うようにするか(相続分の指定、民法902条)、個々の財産を特定してそれぞれ相続させたい者に「相続させる」旨を定める方法(遺産分割方法の指定、例えば妻に土地建物を、多く残したい子に残高の大きい預金や評価額の高い上場株式を、残りをもう一人の子に相続させるなどです。民法908条)が考えられます。

 

相続分の指定の場合は改めて遺産分割協議が必要となる! 

 

 前者の場合は、相続分(相続割合)を指定するだけですので、改めて遺産分割協議が必要となります。後者の場合は、遺産を漏らさず特定して、それぞれについて誰に「相続させる」かを定めておけば、改めて遺産分割協議を経ることなく当然に各相続人が遺言で定めたとおり遺産を取得することができます。特に、不動産の場合は、遺言を登記原因証書として、単独で相続による取得の登記をすることが可能です。

 

 このほか、バリエーションとして、遺産を全て売却換価して、相続人ごとに取得割合を決めて換価代金を配分する、土地建物を老齢の妻に残し、残りを、取得する遺産を特定して子二人に相続させるようにし、万が一過不足が生じる場合は妻が代償金として子らに一定の現金を交付する、などの方法も考えられます。

 

遺留分を侵害しないように遺言を残す配慮を!

 

 なお、遺産を多く残したいと思うあまり、妻ともう一人の子に残す遺産が少なすぎると、遺留分を侵害されたとして、後日、多く相続した子が、妻ともう一人の子から遺留分相当額の返還を求められることがあります(遺留分減殺請求、民法1031条)。


 ご質問のケースでは、妻には所定の方法で計算した遺産総額のうち4分の1の、子には8分の1の遺留分が保障されていますので、これらの割合を下回らないように、うまく相続分の指定や遺産分割方法の指定を行う必要があります。

 

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2015.05.05更新

Q.ここ3カ月の間に父方の祖母と父が相次いで亡くなりました。父は、祖母の葬儀の後、気落ちしていたときに事故に遭ってしまいました。父には自宅の土地建物と預貯金などそれなりの遺産がありますが、祖母にはアパート経営で作った多額の借金があり、できれば引き継ぎたくありません。父も生前、相続を放棄すると話していました。どうしたらよいでしょうか。

 

A.父の死を知ってから3か月以内なら祖母の相続を放棄できる!

 

 父がなくなった時点で、父の一切の財産関係は相続人である質問者が引き継ぎます。その時点で、父が有した母の相続放棄に関する選択権も引き継ぐことになります(これを再転相続といいます)。

 

 本件では、父が祖母の死去に伴う相続放棄を考えている途中で亡くなっていますので、父の相続放棄の申述期間(相続放棄ができる期間のことで、父が祖母の相続開始を知ったときから3カ月です)も引き継ぐように思えます。

 

 しかし、法律は、この場合の祖母の相続に関する父の相続放棄は、質問者が父の死去を知ったときから3カ月以内に家庭裁判所に申述をすればよいと定めています(民法916条)。

 

父が亡くなった時点で既に相続放棄ができなかった場合は?

 

 これに対し、父が祖母の死を知ったときから3カ月以内に相続放棄をしていなかったなど、父が祖母の遺産について相続放棄をする権利を失っていた場合には、もはや質問者が祖母の相続について相続放棄をすることはできません。
 この場合、質問者は、父の固有の遺産とともに、父が祖母から相続した借金も引き継がなければならなくなります。

 

 なお、祖母の相続放棄の手続をする裁判所は、祖母の最後の住所地を管轄する家庭裁判所となりますので、父の最後の住所地の裁判所とは異なることがありますので、注意してください。

 

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2015.05.02更新

Q.私は、三人兄妹で、上に兄と姉がいます。兄は10年以上前に当時勤めていた会社を退職して海外に留学し、今は外資系の会社に勤めています。兄は、海外留学をする際、父に頼み込んで留学費用を1000万円以上出してもらいました。兄は父に、留学費用を出してくれるなら、父が亡くなったときは相続を放棄して遺産を姉と私に譲る、と約束したそうです。そのとき兄が書いた誓約書も存在します。
 昨年父が亡くなり、父の遺産分割の話し合いをしようとしたところ、突然兄が自分にも相続する権利があると言ってきました。姉と私は、誓約書を盾に兄を話し合いから外すことはできるでしょうか。

 

A.生前に書いた遺産の放棄の誓約書は無効!

 

 残念ながら兄を遺産分割の話し合いから外すことはできません。生前兄が相続を放棄すると約束していたとしても、法的には効力は生じないからです。

 

 相続放棄は、父が亡くなったあとに家庭裁判所に相続放棄の申述をして受理されることにより初めて効力が生じます。また、遺産分割協議において自分の受取分を放棄する遺産の放棄も、父が亡くなった後にしなければ効力は生じません。

 

 ご質問のケースで兄と父の合意を確実なものとするには、生前に家庭裁判所の許可を受けて兄が遺留分を放棄し、併せて父が遺産を姉と質問者に相続させる遺言を残すことが必要です。
 このようにお書きの誓約書では兄の相続権を否定することはできず、兄を話し合いから外すことはできません。

 

留学費用の援助は特別受益として持ち戻せる

 

 しかし、兄は勤めていた会社を退職して海外留学をし、その経験を生かして今現在外資系の会社に勤めているのですから、父が兄に与えた1000万円以上の海外留学費用は、兄の「生計の資本」として贈与されたものといえます。

 

 したがって、遺産分割協議においては、兄が受けた留学費用を「特別受益」と考えて、まず現存する遺産に留学費用を加算し、それを兄の法定相続分に応じて分けた金額から留学費用を控除するという計算方法を取ることが可能です。これによって、実質的に兄妹間の公平をはかれます。

 

 なお、現存する遺産が少なく、留学費用を控除しきれなかった場合、兄の具体的相続分はゼロとなりますが、マイナス分を返還するまでの必要はありあせん。この場合のマイナス分は、他の相続人が各自の具体的相続分に応じて負担しあうことになります。

 

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あんしん相続相談ガイドに掲載されました。
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