2015.07.31更新

Q.私は、昨年の暮れに1年間同棲した彼と別れました。同棲していたマンションは借家で私が保証人になっています。先日、そのマンションの大家さんから私のところへ連絡があり、家賃が2ヶ月分滞納となっているので払って欲しいと言ってきました。私は、彼に連絡をとりましたが繋がりません。マンションにも行きましたが居留守を使っているようです。このままですと私が家賃を払い続けなければならなくなります。どうしたらよいでしょうか。

 


A.保証人を外れるには大家さんの承諾が必要

 

 既に彼とは別れていますので彼に頼んで保証人を代わってもらうのが筋ですが、彼が居留守を使っているようですと話し合いは難しそうです。保証人から外れるにも大家さんの承諾が必要ですので、彼には出て行ってもらうしかありません。

 

 大家さんには申し訳ないですが、質問者が家賃を払い続けると彼は今のまま動こうとせず家賃も払わないでしょう。ここは一旦家賃の支払をストップして、大家さんに彼との賃貸借契約を解除してもらって彼に出て行ってもらうしかありません。この場合、退去するまでの家賃は質問者が払うことになります。

 

 ただ、大家さんが退去を要求しても彼が出ていかないと大家さんが裁判を起こさなければなりません。裁判を起こすにも費用がかかりますので、大家さんは裁判を起こしてくれないかもしれません。

 

事前求償金をもとに裁判を起こす!

 

 そこで、質問者から彼に対し、将来保証人として責任を負担することになる家賃について予め求償権を行使すること(事前求償権といいます。)を考える必要があります。 

 

 事前求償権は、家賃を滞納して保証人としての責任が発生すれば行使可能ですので、質問者は彼に対し、事前求償権に基づき期限到来済みの家賃の支払を求めて裁判を起こします。

 

 彼のもとに裁判所から出廷命令が来れば彼も出廷してこざるを得ません。彼が裁判所に出廷すれば、そこで彼に保証人の変更や担保の提供など保証人としての責任の負担を免れるための話し合いを求めることも可能です。

 

 彼が出廷しなければ裁判所に判決をもらって、彼の給与や財産を差し押さえて圧力をかけることも考えなければならないでしょう。

 

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投稿者: 弁護士好川久治

2015.07.28更新

Q.先日、夫が自転車で歩道を走っていると、建築中のビルを覆う鉄製の囲いが倒れて夫はその下敷きになってしまいました。救急車で運ばれて幸い足の骨折だけで済みましたが、事故以来入院して会社を休んでいます。工事の施工監理の会社の担当者が見舞いに来てくれましたが、今後、治療費や会社を休んだことによる収入の補償など、誰に請求していけばよいのでしょうか。

 


A.施工業者、施主

 

 工事業者のどの段階に落ち度があったのかによりますが、原則として工事の施工業者を相手に治療費等を請求することになります。

 

 施工業者が誰であるかは、工事現場に、建設業法に基づく「建設業の許可票」や労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則が定める「労災保険関係成立票」に建設業者あるいは事業主の名称が記載されていますので、そちらで確認します。

 

 施主である注文者に対して責任を追及することができるのは、注文者が事故の原因となった囲いの設置についてした注意や指図の内容に落ち度があった場合に限ります。

 

設計者、工事監理者

 

 設計上のミスや、工事監理上のミスが原因となった場合には、設計に携わった設計者、工事監理者に対しても治療費等を請求することが可能です。
 設計者や工事監理者が誰であるかは役所の建築指導課で建築計画概要書を閲覧謄写すれば確認できます。

 

 下請業者の施工ミスが原因となる場合には下請業者に対しても請求可能ですが、小規模事業者の場合は建設業者を通じて確認しなければ分からないことが多いです。

 もっとも、下請業者の落ち度であっても、元請業者、工事監理者との間に雇用関係あるいはこれに準じる指揮監督関係があれば使用者として元請業者や工事監理者に対しても請求していけることが多いでしょう。

 

刑事記録をチェック

 

 また、重症事故であれば、業務上過失致傷罪で警察が立件し、罰金等の刑事処分が科せられる可能性がありますので、刑事確定記録を閲覧謄写することにより、事故の原因や事故の責任者を確認することが可能です。

 

 なお、通勤途中の事故であれば通勤災害として労災保険に給付を請求することも可能です。

 

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投稿者: 弁護士好川久治

2015.07.25更新

Q.2か月前にお試しでエステティックサロンに行ったところ、お店の方から1年間有効の美顔エステコースを勧められ、最初は断ったのですが、強引に勧誘されて100万円の契約をしてしまいました。全部で50回のコースで、すでに10回の施術を受けました。しかし、効果は出ませんし、購入代金の100万円はクレジットで支払ったので返済が苦しく、中途解約ができるなら解約をして一部でも返金を受けたいと思っています。可能でしょうか。

 

A.特定継続的役務提供契約

 

エステティックサロンのサービス提供契約は、特定商取引法が定める特定継続的役務提供契約に該当しますので、一定の解約金を支払うことで中途解約が可能です。契約と同時に化粧品や美容器具など関連商品を購入している場合は、それらの購入契約も同時に解約可能です。

 

 エステティックサロン、語学教室、学習塾、家庭教師など一定の期間にわたって継続的にサービスの提供を受ける契約で、その目的が果たせるかどうか確実でないもののことを特定商取引法で「特定継続的役務提供契約」と呼んでいます。これらの契約は、契約金が高く、期間も長期ですから、契約前の見込みと違って成果があがらないとか、途中で嫌になったときに契約を解除できないとすると消費者の負担が重くなります。

 

 そこで、契約書面を受け取ってからその日を含めて8日以内であれば、業者に書面で通知を送ることによって契約を解除して契約金全額の返金を受けられることになっています(クーリングオフ)。

 

クーリングオフ期間が経過していても途中解約が可能!

 

 クーリングオフの期間が経過したときは無条件の解約はできませんが、それでも一定の解約金を支払うことにより中途解約ができることになっています。中途解約のための解約料は、契約の類型ごとに、サービスを受ける前と後についてそれぞれ法令で定められています。

 

 エステティックサロンの場合、サービス提供前であれば2万円を上限に業者が定める金額を支払えば解約可能です。

 サービス提供後であれば、①既に提供を受けたサービスの対価と、②残りのサービスの残額の10分の1と2万円のいずれか低い金額の合計(①+②)が上限となります。

 

 質問者のケースでは、100万円の契約金のうち、既に5分の1の20万円のサービスを受けていますので、既にサービスを受けた20万円については返金を求めることはできません。また、残額の80万円の10分の1は8万円で、2万円を超えますので、サービスを受けた分の20万円のほか2万円を支払えば、中途解約が可能です。

 厳密には、契約書作成費用などの初期費用が別途必要となることはありますが、上記金額を大きく上回ることはありません。

 

 なお、契約に関連して化粧品や美容器具等の関連商品を購入している場合は、サービス提供契約の解約と同時に関連商品の契約も解約することが可能です。その場合の清算費用も法令で定められています。

 

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2015.07.19更新

Q.母は、三人兄妹の2番目で、上に姉と弟(私にとって叔母と叔父)がいます。私は弟と二人兄弟です。叔母は生涯独身で子供もいません。叔母はここ10年ほど体調を悪くして入退院を繰り返していたため、母が叔母の看病や身の回りの世話をしてきました。 
 そのため叔母は、母のために遺産を全部譲るという遺言を残してくれているそうです。ところが、最近叔母よりも先に母が亡くなりました。叔母は痴呆で特別養護老人ホームに入っていて、母が亡くなった後は、私が叔母の世話をしています。
 この先叔母が亡くなったとき、叔母が亡母のために残してくれた遺言はどうなるのでしょうか。


A.叔母の遺言は無効となる?

 

叔母が残した遺言は、受遺者(遺言によって遺産を譲り受ける人)である母が遺言者(叔母)よりも先に亡くなったことで効力を失います(民法994条1項)。遺言者は、通常自分の財産を特定の受遺者に譲り渡すために遺言を作成していますので、その受遺者が自分より先に亡くなってしまったら遺贈の目的を果たせないと考えるのが通常だからです。


 ただ、遺言に、母が先に亡くなったときは、その相続人である質問者や弟さんに遺贈する、という一文が入っていれば、叔母が亡くなった後、質問者と弟さんが叔母の遺産を譲り受けることができます。

 

叔母が亡くなったら遺産はどうなるの? 

 

 遺言が効力を失った場合、叔母の遺産はどうなるのでしょうか。
 

 叔母は独身で子供もいないとのことですので、親(質問者にとっての祖父母)も既に亡くなっていれば、叔母の兄妹が相続権を有することになります。母は叔母よりも先に亡くなっていますので、母が相続するはずであった相続分は、母に代わって質問者と弟さんが代襲相続することになります(民法889条2項)。
その場合の相続分は、叔父が健在であれば、叔父が2分の1、質問者と弟さんが各4分の1ずつです。

 

生前の貢献は寄与分で調整!

 

 なお、質問者はもちろん、質問者の母も、長年にわたり叔母の療養看護に尽くしてきていますので、それが叔母の財産の維持と増殖に特に貢献したと見られる場合は、その貢献度に応じて、遺産から貢献分(寄与分)を先に取得し、残りを法定相続分に応じて分割をするという遺産分割方法を求めることが可能です。

 


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2015.07.16更新

Q.新聞の折込み広告で限定100品と宣伝されていた野鳥の彫刻が綺麗で気に入り5万円で購入しました。ところが、届いた品物を見てみると、広告で宣伝していた物とは色彩も形も大きさも迫力感も全く別物で、とても5万円も出して買おうと思うような品物ではありませんでした。返品をしてお金を返してもらえるでしょうか。 

 

A.条件次第で返品も可能

 

 広告中に返品に関する定めがあれば、その定めに従って返品のうえ返金を受けられます。返品ができない旨の定めがあれば、単に気にいらないというだけでは返品はできません。

 しかし、商品が広告で掲載されていたものと似ても似つかない物なら、広告に掲載された品質を備えた物と交換するよう要求することができます。期限を定めて要求しても応じない場合は契約を解除して返金を求めることが可能です。

 このほか広告が消費者を誤解させるような間違った商品を掲載していたものであった場合には消費者契約法または詐欺に基づき購入を取り消し、返金を要求することができます。

 

広告にクーリングオフの定めがあるかどうかを確認する


 まず、新聞広告等を通じた通信販売には、訪問販売や電話勧誘販売などのように「クーリングオフ(無条件解約)制度」の適用がありませんので、販売業者が広告等で「返品には応じられない」と表示していると、申込みを撤回したり、契約を解除したりすることはできません。

 

 広告等で、「返品や交換に応じる」と定めている場合でも、その返品の定めに従わなければなりませんので、通常のクーリングオフ制度では商品受領後8日以内とされている返品期間が短く設定されていたり、返品のための送料を購入者が負担することになっていたりすることもありますので注意が必要です。

 

 返品に関する表示がなければ、購入者は商品到着後、その日を含めて8日以内であれば、送料自己負担で、商品を返品することができることになっています。

 

 以上は、商品の品質に問題がない場合です。

 

契約違反による解除や消費者契約法による取消も


 ご質問のケースでは、届いた商品が、広告に表示されていた野鳥の彫刻と色彩も形も大きさも迫力感も全く別物であったということですから、届けられた商品が事前に販売業者が約束した商品と異なることを主張して、広告どおりの商品を届けるように要求することが考えられます。

 

 確かに、広告の写真等と多少の食い違いがあるだけなら購入者も納得するでしょうし、我慢すべきですが、その落差があまりにも大きい場合には、契約で約束した商品とは異なる商品が届けられたと言ってよいでしょう。

 したがって、購入者は事前に約束した品質を備えた商品との交換を要求し、それがかなわないなら契約自体を解除することが可能です(債務不履行責任)。

 

 また、販売業者が意図的に購入者を惑わす広告を出して商品を販売していたとすれば、契約内容に「不実の告知」があったとして、消費者契約法に基づき購入の申込みを取り消し、あるいは詐欺を理由に申込みを取り消す(民法96条)ことも考えられるでしょう。

 

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2015.07.13更新

Q.先日、会社帰りにスポーツクラブで汗を流してロッカーに戻ろうとしたら、階段が一面濡れていて、足を滑らせて階段を転げ落ち骨折をしてしまいました。事故後会社を休んで入院し、未だ治療中です。階段は以前から給排水管の水漏れで滑りやすくなっていたらしく、クラブの責任者もミスを認めて10万円を包んで謝罪に来てくれました。しかし、入院費や休業補償の問題になると、クラブの規約で責任を負わないことになっているので補償はできないと言っています。本当に補償を求めることはできないのでしょうか。

 

A.免責規定があっても施設は責任を免れない!

 

 スポーツクラブの施設管理上の過失があることは明らかですから免責規定があっても治療費等の損害を請求することは可能です。

 

 スポーツは時として危険を伴うものですので、予め想定される範囲で怪我等をしたとしても、それは承知のうえでのことですから責任問題が発生することはありません。スポーツクラブの規約の免責規定は、この当然のことを明記したという範囲で意味がります。

 

 しかし、スポーツをするうえで通常想定される範囲を超える怪我をし、そのことに施設側の過失がある場合や、スポーツとは関係のないところで怪我をし、そのことに施設側の過失がある場合にまで免責規定を盾に施設側が責任を免れることはできません。

 

 消費者契約法は、事業者と消費者との間の契約において、事業者の損害賠償義務を全部免除する規定を無効としています(法第8条1項1号3号)。
 スポーツクラブの会員契約も消費者契約ですので、本来事業者であるスポーツクラブの運営者が負うべき損害賠償義務を全部免除する免責規定は無効となります。

 

 したがって、クラブ会員である質問者は、原則に戻って施設に対して、会員契約に付随する保護義務違反あるいは不法行為の基づき、事故によって被った治療費等の損害の賠償を求めることが可能です。

 

施設に対して休業損害や慰謝料を請求できる!

 

 ご質問のケースでは、施設側が給排水管の水漏れに気づきながら修理を怠り、あるいは転倒の危険を避ける措置をとっていなかったことに過失がありますので、施設側は質問者に対して損害賠償責任を負います。

 

 具体的には、治療費、治療のための通院費、入院中の雑費、怪我で会社を休んだことによる休業損害、入通院に伴う精神的損害の慰謝料、後遺障害が残るようなら、それによって失った労働能力に相当する損害(逸失利益)、後遺障害の等級に応じた慰謝料を請求することが可能です。

 


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2015.07.10更新

Q.最近、年をとったせいか、自分が死んだ後のことを考えるようになりました。大した財産があるわけではありませんが、私が死んだ後、わずかな遺産をめぐって家族が争うようなことがないようにしたいと思っています。遺言には、自筆証書遺言というものがあると聞きました。具体的にどのように作成すればよいのでしょうか。


A.自筆証書遺言は便利だけれども厳しい要件が!

 

 自筆証書遺言は、遺言者が遺言の内容全部を自分で筆記し、日付及び氏名を自書し、最後に押印することによって作成します。書き損じた場合は、元の記載内容が分かるように訂正あるいは変更をして変更場所に押印し、欄外に訂正をしたことを付記して署名する必要があります(民法968条)。


 遺言は、効力が発生した時点で遺言者が死亡していますので、後で遺言者の意思を確認することができません。そのため、遺言者の最終意思である遺言の内容が正確に書面に表され、内容が実現されるように、民法では遺言は法律の定める方式によらなければ効力を生じないとされています。したがって、たとえ故人の意思が表れていたとしても、単なるメモや録音、日記などでは遺言としての法的効力は認められません。

 

 遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言、緊急の場合の特別方式の遺言があります。このうち、自筆証書遺言は、もっとも基本的な遺言の方式で、費用もかからず簡便に作成することができますので便利です。しかし、偽造や変造がされやすく、内容を秘匿できないなどのデメリットがあります。また、公正証書遺言と違って、遺言の保管者は、相続の発生を知った後、遅滞なく家庭裁判所に遺言を提出して検認を請求しなければなりません。相続人が遺言を発見した場合も同様です(民法1004条)。

 

自筆証書遺言を作成するポイント

 

 ところで、自筆証書遺言の作成にあたって留意すべき点は、次のとおりです。

 

①遺言の内容は、全文を手書きしなければなりません。ワープロ打ちをしたもの、他人に口頭で告げて代筆してもらったもの、点字で記したもの、録音などは、いずれも無効です。内容は必ずしも日本語でなくても構いません。

 

②日付は、年月日まで正確に書く必要があります。「平成27年5月吉日」などと日付が特定できないものでは、遺言は無効となります。また、日付は遺言を完成させた日を正確に書く必要があります。日付は、遺言をした時点の遺言者に遺言能力があったこと、遺言の撤回の有無、効力を判断するために重要な意味を持ちますので、実際の日付と違うものは無効になります。

 

③氏名は、通称名やペンネームでも構いませんが、遺言者本人が書いたことが分かるように自書でなければなりません。字がうまく書けない遺言者のために、他人が手を支えて筆記を助けることは許されますが、代書することはできません。

 

④印は、認印でも構いません。

 

⑤遺言の本文の記載を間違えた場合は、民法に定める方法で訂正しなければなりません。具体的には、元の記載内容が分かるように訂正あるいは変更をして該当場所に押印し、欄外に訂正をしたことを付記して署名する必要があります。

 後で訂正の効力が争われないためにも、訂正が必要となった場合は書き直したほうがよいでしょう。

 

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2015.07.04更新

Q.私は夫と20年来の内縁関係にありました。先日、夫が亡くなり、大家さんにそのことを伝えたところ、夫には収入があったので建物を貸していたが、私には収入がないので出て行って欲しいと言われてしまいました。私は、出て行かなければならないのでしょうか。私は無職ですが、夫の加入していた厚生年金から遺族年金がおりる予定で、家賃は今までどおり支払っていけそうです。なお、夫は再婚ですが、前妻との間に子供がいるかどうかは分かりません。

 

A.家賃を払い続けて住み続けることが可能!

 

 亡くなった夫と前妻との間に子供がいるかどうかにかかわらず、質問者は大家(賃貸人)に対し、居住の権利を主張することが可能ですので、このまま家賃を支払いながら住み続けることが可能です。大家が家賃を受け取らない場合には、法務局に家賃を供託することも可能です。

 

 夫婦には、いろいろな事情から籍を入れずに生活する方が大勢います。そのような方々(内縁の夫婦)も、夫婦である以上、法律上できるだけ入籍をした正式な夫婦と同様に取り扱うことが望ましいと考えられており、法律や判例もこれに沿った考え方がとられています。

 しかし、内縁の配偶者には相続権がありませんので、賃貸借の契約者である他方が亡くなっても、当然にはその地位を引き継ぐことはできません。

 

内縁の夫に相続人がいてもいなくても居住の権利を主張できる!

 

 そこで、法律及び判例は、内縁の夫婦の一方がその名で借りた住居に夫婦が居住してきた場合に、名義人が亡くなっても残された配偶者が安心して暮らしていけるよう内縁配偶者に一定の権利を認めています。

 

 一つは、借地借家法の規定で、居住用建物の賃借人が相続人なしに亡くなった場合、その当時婚姻の届出をしていなかったけれども、賃借人と事実上夫婦と同様の関係にあった同居者があるときは、その同居者が建物の賃借人の権利義務を承継する、と定めています(民法第36条)。
 ですから、夫に相続人である子や親兄妹がいなければ、質問者は当然に夫の賃借人としての地位を引き継ぐことができます。

 

 もう一つは、判例で、建物の賃借人が亡くなった場合、残された内縁配偶者は、亡くなった配偶者の相続人が承継をした賃借人の地位を援用して、賃貸人に居住の権利を主張できる、としています(最高裁判昭和42年2月21日判決)。

 

 この場合、相続人が家賃を支払わない場合は、賃貸人から契約を解除されるおそれがありますので、残された内縁配偶者は、契約を解除されないため、利害関係人として賃貸人に家賃の立替払いをすることが必要となってきます。

 

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2015.07.01更新

Q.私は、アパレルメーカーに勤める会社員です。先月、転職先が決まり会社に退職を申し入れたところ、現在住んでいるマンションを出るように言われました。社宅は、今の会社に入社したときに会社が借り上げて社宅として提供してもらったものですが、家賃は近隣相場とそれほど違いはありません。ただ、管理費の負担はなく、毎月住宅手当として、家賃の1割相当の支給を受けています。会社は、社宅規程には退職と同時にマンションを明け渡すことになっているので退去するように言ってきています。私はマンションを出なければならないのでしょうか。

 

A.当然に退去に応じなければならないわけではない!

 

結論から申し上げると、退職だけを理由に直ちに退去する必要はないでしょう。ただし、会社は社員である質問者のためにマンションを借り上げ、大家にも社員であることを理由に居住を認めてもらっている面がありますので、会社との契約を合意により解消し、大家との直接の契約に切り替えて契約をしなければならないと思います。その際、大家から敷金、礼金の負担を求められることになりますが、これはご自身で負担しなければなりません。また、当然のことですが、住宅手当はなくなり、管理費もご自身で負担しなければなりません。

 

借地借家法で保護される?

 

 まず、社宅として借り上げた物件に借地借家法の適用があるかどうかが問題となります。
 借地借家法は、建物賃貸借における賃借人を保護するために、民法の一般原則を賃借人に有利に変更しています。例えば、民法の一般原則では、期間の定めのない賃貸借の場合、賃貸人は3カ月前に予告をすれば賃借人を退去させることができます。退去を求めるために特別な理由も必要とされていません。
 

 これに対し、借地借家法では、賃貸人が建物の退去を求めるには6ヶ月前に予告をし、かつ、その間ずっと、建物の退去を求めることに正当な事由がなければなりません。

 正当な事由とは、賃貸人と賃借人が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関するこれまでの経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人による立退料の支払の申出を考慮して、退去を求めることを正当化できる事由のことを言います。賃貸人が建物を退去してほしいと考えるだけでは要件を満たしませんので、賃借人の保護が厚くなっています。

 

借り上げ社宅にも借地借家法の適用がある場合がある!

 

 質問者の場合は、会社に入社する際に、会社が借り上げてくれたマンションを借りている状況ですので、一般の賃貸マンションとは事情が異なる面があります。

 しかし、先例では、この場合でも近隣同種の賃貸物件と同程度の家賃を負担して賃借している場合には、借地借家法の適用があるとしているものが多いです。概ね家賃の半分以下の負担しかしていないケースでは、特殊な使用許諾契約があるにすぎないとして借地借家法の適用を否定しています。
 質問者のケースは、管理費と家賃の1割の住宅手当の支給を受けているにすぎませんので、一般の賃貸マンションと同様、借地借家法の適用があると考えてよろしいかと思います。

 

大家との直接契約に切り替えることが現実的

 

 ただし、会社は大家から物件を借り上げて、それを質問者に転貸(又貸し)していますので、大家さんは、質問者が会社の従業員でなくなった時点で、転貸を認めないと言い出すかもしれません。
 会社としても、社員でない者のために賃借人として家賃の支払義務を負うことは避けたいでしょう。質問者も、退職した後まで会社との関係を続けることに違和感を覚えることでしょう。

 

 そこで、退職を機に大家と会社の三者間で協議をして、契約を大家さんとの直接契約に切り替えることを考えたほうがよいと思います。

 この場合、新たな契約となりますので、大家には敷金と礼金を支払い、管理費もご自身で負担していく必要があります。

 もし可能なら、これまでの賃貸の実績を理解してもらい、礼金を免除してもらえるよう大家と交渉されたらよいと思います。

 

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