2014.12.18更新

Q.私と夫は結婚して25年になります。家は持家で、多少ですが住宅ローンが残っています。子供も独立して夫婦二人で生活していましたが、ある日、夫が朝出かけたまま行方不明になりました。部屋を探すと置手紙があり、「仕事が嫌になって一人になりたい」、「離婚してほしい」、「探さないでほしい」と書いてありました。しかし、離婚届は見当たりませんでした。会社には事情を話しましたが、無断欠勤が続いたので解雇されてしまいました。夫には、夫名義の持家と住宅ローン、生命保険、退職金があります。夫は、行方不明になる直前にクレジット会社数社から借金をしたらしく、クレジット会社から督促状が届いています。私は、これからどうしたらよいでしょうか。

 

A.このまま放置していると、いずれ住宅ローンが延滞し、自宅は競売にかかってしまいます。クレジット会社からも裁判を起こされ、判決となり、生命保険金や退職金が差し押さえられてしまうおそれがあります。

 

 確かに、妻は、当然には、夫名義の住宅ローンや借金を支払う義務はありませんが、夫とともに築いた財産を借金の形に取られてしまうのを指をくわえて見ておくわけにもいきません。

 

 妻としては、行方不明の夫を相手に婚姻費用(生活費)の支払を求めて家事審判を申し立て、審判書(判決のようなもの)をもらって夫の財産を差し押さえることも考えられます。

 

 しかし、夫は勤務先を退職して今現在収入があるかどうかもわかりませんので、思いどおりの婚姻費用が認められない可能性があります。また、仮に支払が認められたとしても、十分な補償にはなりません。

 

 そこで、一方的に出て行った夫に見切りをつけ、夫と離婚することが考えられます。
 離婚には夫の承諾を得るか、あるいは離婚原因が必要ですが、夫は「離婚してほしい」と置手紙を残して行方不明となったというのですから、妻が離婚を申し出れば、婚姻関係を継続できないとして離婚が認められる可能性が高いです。

 

 また、夫が婚姻費用も渡さず、借金も残して一人行方不明になったことが離婚の原因ですから、夫に対しては離婚とともに慰謝料を請求し、併せて夫婦が婚姻中に築いた財産の精算、あるいは行方不明後の未払婚姻費用の精算を目的として財産分与の請求をすることを検討します。

 

 さて、手続ですが、行方不明の夫相手に調停を申し立てても無駄ですから、ご質問のケースでは、いきなり離婚裁判を提起することになります。
 また、裁判への呼出状と訴訟資料も行方不明の夫には届きませんので、夫に届かないことを前提に公示送達の申立てをして、夫不出頭のまま裁判手続を進めます。

 

 この場合、夫は裁判に出頭してきませんので、妻側の主張と証拠、妻側申請の本人や証人の尋問を経て、判決に至ります。

 仮に、判決で離婚が認められ、慰謝料、財産分与とも請求どおり認められれば、この判決をもって、住宅ローンの競売手続に参加して配当を要求し、あるいは、退職金や生命保険を自ら差し押さえて回収することが可能となります。

 

 住宅ローンの競売が思いのほか早く進みそうな場合には、正式な裁判の前に、将来の慰謝料や財産分与の請求を保全するため不動産に対し仮差押を申し立て、決定を得ることも検討しなければなりません。

 

 いずれにしても非常に専門的な知見と判断が要求されますので、弁護士に相談されることをお勧めします。

 

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投稿者: 弁護士好川久治

2014.12.11更新

Q.私には、2年間同棲している彼がいます。最初は単なる交際のつもりでしたが、彼との間に子供ができたのを機に彼と結婚の約束をしました。友人にも結婚を報告し、両親にも挨拶を済ませました。ところが、彼の両親が私との結婚に反対です。そんなとき彼が転勤となりました。私は彼についていくつもりで勤めている会社を辞め、引越しの準備をしていると、彼から突然、「やっぱり親が反対してまで結婚できない」と別れを告げられました。私は、彼に対して何か請求できることはあるでしょうか。

 

A.お二人の間には、2年間の同棲関係があり妊娠もされていますので、結婚を約束した頃には内縁関係が成立していたと評価できる余地があります。内縁関係は婚姻届を出していないだけで対内的にも対外的にも夫婦としての実態が認められる関係ですので、相続以外の点では、ほぼ夫婦と同様の保護を与えられます。したがって、彼が正当な理由もなく内縁関係を破棄したと認められれば、あなたが被った損害の賠償を請求することができます。

 

 また、たとえ内縁関係が認められなくとも、お書きの事情では将来の結婚を誠心誠意約束した事情が認められますので、婚約の成立を認めてもよいと思います。

 婚約は将来の結婚を約束する男女間の合意ですから、合意をした当事者は、結婚に向けて誠実に交際を続け、結婚の実現に努力する義務があります。そのため、一方が正当な理由なく誠実義務に反し、そのため婚約を解消せざるをえなくなった場合には、その原因を作った当事者は他方に対して損害賠償義務を負うことになります。

 

 あなたのケースは、当人同士は結婚の意思が固くても、親が反対するので彼が結婚を諦めたということですから、あなたにとっては到底納得できないことでしょう。社会通念上も親が反対するので婚約を解消したというのは通用しませんので、彼の婚約破棄には正当な理由がなく、彼はあなたからの損害賠償請求に応じなければなりません。

 

 問題は損害ですが、損害には、精神的な損害(慰謝料)と、財産的損害があります。婚約破棄の場合の精神的損害は、だいた100万円前後です。財産的損害には、新居の権利金や転居費用、結婚式のキャンセル料金などです。
 このほか、あなたの場合は結婚を前提に会社を退職していますので、退職に伴い失われた収入相当の損害を請求することができます。どのくらいの金額を請求できるかは、婚約しなければ勤務を続けていたであろう可能性をもとに事案に応じて判断していきます。だいたい1年分の収入を目安に考えておけばよいと思います。

 

 なお、損害ではありませんが、もし彼からあなたに結納金が交付されているなら、交付者の責任による婚約破棄ですので、結納金は返さなくてもよいという判断もありえます。

 

 ところで、お子さんを妊娠されているとのことですので、出産後のことが気になります。出産後は、彼に認知を求め、認知後にお子さんのために養育費を請求していくことが可能です。彼が応じない場合、家庭裁判所に強制認知の調停を申し立て、それでも応じない場合は認知の訴え(強制認知)を起こして判決を得れば法律上認知があったとみなされます。

 

 このほか、結婚準備のための家財道具の処理など実務的に難しい問題が沢山ありますので、実際に問題になったときは弁護士に相談されるのがよろしいかと思います。

 

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