2015.03.24更新

Q.先日母が亡くなりました。私の母は2年前に離婚しました。原因は父のDVです。母は父と一日も早く離婚したかったので離婚時に慰謝料も財産分与も請求しませんでした。私も父のことで苦労した母を見てきましたので、母に代わって父に慰謝料や財産分与を請求したいと考えています。可能でしょうか。母は再婚しておらず、子供は私一人です。

 

A.母の死亡後も離婚慰謝料、財産分与を請求できる

 

 慰謝料は請求できます。財産分与については争いはありますが、離婚してから2年経過前であれば請求可能と考えます。

 

 まず前提として、母が亡くなり相続が発生していますので、慰謝料や財産分与の請求権を唯一の相続人であるあなたが相続できるかが問題となります。相続が発生すると、亡くなった方の財産に関する一切の権利義務を承継することになりますが、亡くなった方の一身専属権は対象外とされているからです(民法896条)。


 この点、慰謝料請求権は、結局のところ金銭給付を求める権利ですから生前に請求の意思表示をしたかどうかにかかわらず相続の対象になるとされています。財産分与請求権については争いがありますが、こちらも財産分与が夫婦の協力によって得た財産の分与を目的とする権利ですから相続の対象になると考えてよいと思います。

 

離婚慰謝料の請求は離婚後3年以内に請求を!

 

 ところで、慰謝料は、他人の不法行為によって精神的損害を被った場合に加害者に対して請求できる損害賠償金です。母は父のDVが原因で離婚していますので、父のDVの存在とそれが離婚の原因となったことを証明できれば母の父に対する慰謝料請求権を相続により取得しますので、父に対して請求することが可能です。


 不法行為の時効は、損害及び加害者を知っていから3年です(民法724条)。DVは個々の行為から3年で時効が完成しますが、それが離婚の直接の原因になった場合は離婚による損害は離婚成立時に発生しますので、離婚から3年間は行使可能です。

 

財産分与は離婚後2年以内に請求を!

 

 財産分与請求権は、離婚の際に夫婦が協力によって築き上げた財産の分与を求める権利です。財産分与の対象は、現預金、有価証券、保険、財形貯蓄、退職金、住宅などのプラスの財産と、住宅ローン、生命保険借入金、生活資金の借入金などのマイナスの財産を合算して、プラスになった場合には、金銭給付を求めることができます。基準日は原則として別居時、請求できる割合は原則として半分です。


 財産がない場合でも、離婚後に経済的に扶養が必要となる一方が他方に対し、当面自活できるまでの扶養を目的として金銭給付を求めることも可能とされています。
 但し、扶養的側面の財産分与については相続の対象となるかどうかについて争いがあります。

 

 財産分与を求めることができるのは離婚後2年です。2年以内の請求の意思を表示していなければ権利は消滅します。


 財産分与は協議が前提となりますが、話し合いができないなら家庭裁判所に調停を申し立てることが可能です。

 

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投稿者: 弁護士好川久治

2015.03.09更新

Q.妻とは結婚して10年になります。妻との間には小学生の子供2人がいます。妻は数年前から会社の上司と不倫関係にあり、上司の子を妊娠中絶したこともありました。私は離婚を決意し、調停を申し立てましたが妻が応じません。私には亡くなった父から相続した土地建物があります。離婚する前に私が死んだら、このような妻に対しても遺産を残さなければならないのでしょうか。

 

A.離婚裁判中でも夫婦である限り相続権がある!

 

 離婚を決意しても相手が応じなければ家庭裁判所に調停を申し立て、離婚の協議をしなければなりません。調停でも結着がつかなければ離婚裁判を起こさなければなりません。

 離婚原因となっている事情について双方の主張が真っ向から食い違っている場合はもちろん、そうでなくても子供の親権者をいずれにするか、養育費をいくらにするか、子供との離婚後の面会交流をどうするか、財産分与の方法、慰謝料のことなど、様々な点で折り合いがつかず、裁判になっても相当時間を要することがあります。


 その間に事故や病気などでいずれかが亡くなれば、婚姻関係は死亡により当然終了し、離婚は成立しないまま裁判手続は終了してしまいます。また、死亡時点で法律上夫婦関係があったなら生存配偶者は死亡した配偶者の遺産を相続する権利があります。これは夫婦関係が破綻をして離婚裁判になっていても同じです。

 

 質問者のケースは、妻が浮気をして他人の子を妊娠中絶するなど質問者の信頼を裏切り、夫婦関係を破綻に導いた非がありますので、質問者が財産を相続させたくないと思う気持ちも理解できなくありません。特に、夫婦で築いた財産ではなく、亡くなった父から相続した土地建物があるならなおさらでしょう。

 

遺言を残すことを考える! 

 

 このような場合は、早い時期に自らの全ての財産をお子さんやその他の方に相続させる遺言を残しておくことにより、妻に遺産を残すことをある程度防ぐことが可能です。遺言は、後で効力を争われることがないよう、公証役場で作成されるのがよいと思います。

 

 しかし、これだけでは、妻には法律上最低限保証される相続分(遺留分、質問者の場合は4分の1)がありますので、妻が遺言で遺産を受け取ることになった者に対し、遺留分減殺請求権を行使して財産の返還を要求してくる可能性があります。

 

相続人の廃除の審判を申し立てる!

 

 そこで、妻に遺留分の主張をさせないため、妻を相続人から廃除する手続をとることが考えられます。相続人の廃除は、兄弟姉妹以外の相続人となる者が、被相続人に対して虐待をしたり、重大な侮辱を与えたり、あるいはその他著しい非行があったりするときに、その者から遺留分を含む相続の権利を失わせる制度です(民法892条)。

 

 廃除の手続は、生前に家庭裁判所に対して調停、審判を申し立てることによって行いますが、遺言によっても可能です。必ず認められるとは限りませんが、相手との交渉にあたって有効な手段となるでしょう。

 

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2015.03.03更新

Q.3年前に元夫と離婚し、子供二人を一人で育てています。離婚する際は、元夫と一日も早く離婚したくて養育費はいらないので離婚してほしいと言って応じてもらいました。しかし、その後、収入が減り、生活が行き詰ってしまいました。今から元夫に養育費を請求することはできないでしょうか。

 

A.子の養育を受ける権利を放棄することはできない!

 

 養育費はいらない、という発言の意味をどうとらえるかによりますが、お子さんの父に対する扶養の権利を子に代わって放棄したという意味なら、そもそもそのような権利放棄は無効です。扶養を受ける権利は法律上処分することができないとされているからです(民法881条)。

 

 これに対し、単に、子供らの扶養の責任は、自分が一人で負担するという子の監護に関する方法の意思表明に過ぎないのであれば、離婚時と経済事情が変わって子の養育に支障が生じていますので、今からでも子の監護に関する協議を申し入れることが可能です。


 元夫が話し合いに応じないなら、家庭裁判所に子の監護に関する調停を申し立てて調停委員を間に入れて話し合うこともできます。元夫がそれでも応じない場合は、家庭裁判所が双方の収入と子の人数・年齢に応じて養育費の額を決定し、元夫に支払を命じてくれます。

 

 審判が確定すれば、元夫の給与やその他の財産を差し押さえることも可能です。

 

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あんしん相続相談ガイドに掲載されました。
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