2015.04.23更新

Q. 先日、夫が事故で亡くなりました。私と夫は、訳があって籍を入れていませんでした。しかし、私は夫の社会保険の被扶養者になっていましたし、世間的にも夫婦として生活してきました。突然の夫の死により、私は、今後の生活が不安で仕方がありません。 
 先日、加害者の保険会社から連絡があり、夫には前妻との間に子供が1人いるので、その子供と示談交渉することになります、と言われました。私は加害者から夫の損害の補償を受けられないのでしょうか。

 

A.内縁配偶者も法律的に夫婦と同じ扱いを受けることがある!

 

 内縁配偶者であっても、夫が亡くなったことによる精神的損害(慰謝料)や夫が生きていれば夫の収入から扶養を受けられたと見込まれる扶養利益の損害賠償を求めることができます。

 

 質問者と夫は、入籍をしていないものの、社会的には夫婦としての実態があったようですから、いわゆる「内縁」関係があったと言えます。夫婦には、いろいろな事情から入籍をしないで生活をしている方が多くいます。しかし、内縁も「夫婦」であることに変わりありませんから、同居義務、お互いに協力して生活を支える義務、生活費を負担すべき義務、貞操義務など法律婚と同様の取扱いがされます。


 一方、内縁はあくまでも事実上の夫婦関係ですから、氏を同じくする義務、お互いの親族との間の姻族関係、未成年者を成年とみなす成年擬制などの適用がないほか、相続権もありません。
 したがって、いずれかが交通事故で死亡した場合も、正式な夫婦であれば相続できるはずの加害者に対する損害賠償請求権を主張できません。

 

 しかし、これでは夫婦同然に生活をしていた内縁の配偶者に酷ですし、亡くなった配偶者と生活を共にしない法律上の相続人だけが権利を主張できることになって不合理です。

 

固有の慰謝料と、内縁の夫から扶養を受けられた利益について賠償請求が可能!

 

 そこで、先例では、内縁配偶者であっても、交通事故の加害者に対し、固有の権利として慰謝料と独自の扶養利益侵害を理由とする損害賠償請求を認めるケースがあります。

 

 慰謝料については、民法711条の近親者の固有の慰謝料請求権の規定を類推適用して、内縁配偶者に慰謝料請求を認める先例があります(東京地裁18年2月7日判決、大阪地裁21年9月30日判決など)。金額は、事案によって様々で、200万円程度のものもあれば、1000万円の慰謝料を認めた事例もあります。

 

 扶養利益侵害を理由とする損害賠償請求は、配偶者が生きていれば配偶者の収入によって扶養を受けられた見込みをもとに請求できる権利です。
 これは、交通事故で死亡したことによって被害者自身が失った将来の収入の喪失による損害(逸失利益)と同じではありません。どのくらいの金額になるかは、「個々の事案において、扶養者の生前の収入、そのうち被扶養者の生計の維持に充てるべき部分、被扶養者各人につき扶養利益として認められるべき比率割合、扶養を要する状態が存続する期間などの具体的事情に応じて適正に算定」すべきものとされています(最高裁平成12年9月7日判決)。

 

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投稿者: 弁護士好川久治

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あんしん相続相談ガイドに掲載されました。
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