2016.04.20更新

Q.職場の同僚と不倫をした夫から離婚したいと言われました。子供も未だ小さいので離婚したくないのですが、離婚しなくてはいけないのでしょうか。

 

A.夫婦の一方が離婚を申し出ても他方がこれに応じなければ離婚は成立しません。

 

 離婚したくないと相手に離婚を法的に強制するためには、次の理由が必要です(民法770条1項)。

①不貞(配偶者のある者が、自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと)
②悪意の遺棄(正当な理由なく夫婦の同居協力扶助の義務を果たさないこと)
③3年以上の生死不明
④強度の精神病で回復の見込みがない
⑤婚姻を継続しがたい重大な事由

 

 ご相談の件も、あなたの方に上記①から⑤のいずれかの事情がなければ、夫がいくら離婚したいと言っても離婚を法的に強制することはできません。必ずあなたの同意が必要となります。もし、あなたが離婚したくないと思っているなら、夫に離婚には応じないときっぱり意思を伝えることです。

 

 ただし、夫が離婚したいと申し出たことの意味は重大です。破綻の危機に瀕した夫婦関係を修復していくためには、離婚したくないという気持ちを伝えるだけでなく、これまでの夫婦の問題点と真摯に向き合い、改善に向けて努力し続けることが必要です。これを怠れば、離婚したいと申し出た夫とはいずれ別居となり、その期間が長期に及べば、結果的に上記離婚理由のなかの「⑤婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当するとして、離婚が認められることにもなりかねません。

 

 ところで、夫婦関係を元通りにすることはできないかもしれませんが、夫が浮気をしている客観的な証拠を確保できた場合は、夫は妻であるあなたに対する関係で信頼関係を裏切った「有責配偶者」となりますので、別居が多少続いたとしても、夫からの離婚請求は信義則に反して認められません。お子さんが幼少であれば少なくとも10年以上別居状態が続かなければ離婚は認められないでしょう。

 

 何を重視するかによって、離婚を申し出てきた夫に対する対応の仕方は変わってきますので、これが正しい、という決まった方策はありません。自分とお子さんにとって一番なにが大切か、どうすれば離婚による影響を最小限に抑えられるかを、専門家ともよく相談して決めていくことが大切です。

 

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あんしん相続相談ガイドに掲載されました。
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