2016.05.12更新

Q.交通事故で怪我をしました。病院を受診した際、健康保険を利用できないと言われたのですが、本当でしょうか?

 

A.交通事故のような第三者による加害行為で怪我をした場合でも健康保険を利用できます。病院の中には、自由診療を強く勧め、健康保険は使えないと間違った説明をしてくるところがありますので、気をつけてください。

 

 健康保険を利用することのメリットは、大きくわけて二つです。


 一つは、①加害者が任意保険に加入しておらず、自賠責の補償しか受けられない場合に、治療費を抑えて休業損害や慰謝料の支払を確保することができること、ふたつ目は、②被害者側の過失が大きい場合でも、健康保険を利用すれば、当面の自己負担額を3割に抑えられることです。

 

 ①は、例えば、自由診療で200万円の治療費がかかる場合、自賠責からは120万円の給付しか受けられませんので、残りの80万円は一旦立て替えて、後で加害者に請求していかなければなりません。

 

 しかし、この場合でも健康保険を利用すれば、保険点数が自由診療と比べて低いので治療費が最大で半分程度に抑えられます。そのため、治療費が120万円以下であれば、自賠責保険から治療費全額の補償を受けられます。

 

 ②は、例えば、自由診療で200万円の治療費がかかり、しかも被害者の過失割合が7割だとすると、まともに加害者に請求していけば、200万円のうち被害者の過失割合を控除した3割の60万円しか請求できず、残りの140万円は自己負担となってしまいます(自賠責に請求する場合は「重過失減額」により、実際の負担額はケースどおりにはなりませんが、ここでは説明の便宜上、同制度は考慮していません)。

 

 これに対し、健康保険を利用すれば、保険点数が低く抑えられている関係で、治療費が最大で半分程度に抑えられるうえ、仮に半分の100万円の治療費がかかったとして健康保険の自己負担分3割の30万円を負担すれば、残りは健康保険で負担してもらえることになります。

 さらに、自己負担分も自賠責保険に請求できれば、7割の過失がある事故でも、ほんのわずかな負担で済むことになります。

 

⇒弁護士好川久治の交通事故問題に関する情報はこちら


⇒港区虎ノ門の弁護士好川久治への相談・問い合わせはこちら


ヒューマンネットワーク中村総合法律事務所
弁護士好川久治
℡03-3501-8822|9:30~18:00

東京都港区虎ノ門1丁目4番5号 文芸ビル8階

投稿者: 弁護士好川久治

2016.04.28更新

Q. 交通事故でけがをしました。区役所の無料相談に行くと、治療が終わってから来てください、と言われました。なにか今のうちにしておくことはないでしょうか。

 

A. 区役所の方は、「治療が終わらないと加害者に請求する損害額が確定しないので、今は治療に専念しておけばよい」というつもりでおっしゃったのでしょう。

 

 しかし、被害に遭っても何もせず、人任せにしておくだけでは、いざ加害者に損害賠償を求めていく段階になって、あれもこれもと要求されて戸惑ってしまいます。やはり自分なりに将来の請求に備えて今行っておくべきことは事故直後から準備しておくべきです。

 

 例えば、事故状況に争いがある(将来争いが生じる可能性がある)なら、できるだけ記憶が鮮明なうちに現場の事故状況を思い出し、現場の写真を撮るなどして調査書としてまとめておくべきです。

 特に物損事故扱いとなっている場合は、事故直後の警察官の簡単なメモ程度しか書類は残りませんので重要です。人身事故扱いとなっていて警察の実況見分に立ち会う場合でも、調査書は記憶喚起のために非常に役立ちます。

 

 また、治療を続けるためにかかった費用は、ノートを作って領収書を貼りつけ、時系列で何がどれだけかかったかを記録に残しておくべきです。

 加害者が任意保険に加入している場合は保険会社が大半の治療費を支払ってくれますが、保険会社が支払の対象から外してくる治療費もありますし、交通費や付添人の費用、仕事を休んだことによる損害など、後で請求していくものは、予め証拠書類とともに保管しておくべきです。保険会社に領収書等を提出する場合も、必ずコピーをとっておいてください。

 なお、治療は、なんでも自分の判断で行えばよいというわけではなく、特に整骨院など病院以外で治療を受ける場合は医師の指示を前もって得ておく必要があります。これがないと後で治療費を請求できなくなるおそれがありますので注意してください。

 

 このほか、治療は自由診療扱いにするのか、健康保険扱いにするのか、健康保険扱いにする場合には健康保険から要求される第三者行為による傷病届や念書等の手配をする必要があります。

 

 加害者が任意保険に加入していない場合には、自賠責の仮渡金や内払金を請求することも検討すべきですし、生活が立ちいかなくなるおそれがある場合は一時的にでも生活保護を申請しなければならないこともあるでしょう。

 

 また、自分や家族が加入している医療保険や自動車保険も調べておくことです。見落としがちなのが、家族が加入している自動車保険の特約です。特約には、例えば、被害者の過失の有無を問わず一定の損害賠償金を受け取れる人身傷害補償特約や弁護士費用特約など請求にあたって注意すべきものがあります。人身傷害補償特約については、加害者との示談がまとまる前に保険金を受け取れることがありますし、被害者の過失が大きい場合には受け取れる金額が大きくなることがありますので、後で忘れていたということにならないよう予め調べておく必要があるでしょう。

 

 このほか、具体的事案によって準備すべきことは異なりますので、できるだけ早い時期に、交通事故の処理について経験豊富な弁護士に相談し、事故後の流れについて適切なアドバイスを受け、ある程度の見通しをもったうえで、安心して治療に専念できるようにしておくべきでしょう。

 

⇒弁護士好川久治の交通事故問題に関する情報はこちら


⇒港区虎ノ門の弁護士好川久治への相談・問い合わせはこちら


ヒューマンネットワーク中村総合法律事務所
弁護士好川久治
℡03-3501-8822|9:30~18:00

東京都港区虎ノ門1丁目4番5号 文芸ビル8階

投稿者: 弁護士好川久治

2015.06.01更新

Q.先日自転車を乗っていると、後方から走ってきたバイクにぶつけられ、転倒して骨折をしてしまいました。バイクに乗っていたのは高校生で、よそ見をしていて私の存在に気づくのが遅れたそうです。私は救急車で病院に運ばれましたが、バイクは自賠責保険にしか加入しておらず、治療費も自費で立て替えなければならない状況です。
 事故で入院をしている間は仕事を休まなければならず、退院後もしばらく松葉づえで仕事に復帰できるのは数か月先になりそうです。相手は高校生で収入もないため、親に請求したいと思っていますが可能でしょうか。

 

A.当然には親に責任を追及できない?

 

 バイクに乗っていたのが高校生ですと、損害賠償については高校生が責任の主体となりますので、原則として両親に対しては治療費等を請求することはできません。例外的に、高校生の子供がバイク事故を起こす具体的な可能性を両親が予見できた場合には、両親に対して治療費等を請求していくことが可能です。


 また、両親がバイクの所有者であるなど、「運行供用者」にあたる場合にも、治療費等の怪我による損害に限り、両親に対して補償を求めていくことが可能です。

 

高校生ともなれば自分のしたことは自分で責任を負う

 

 交通事故等による損害賠償を求めることを、不法行為責任を追及するといいます。不法行為責任を追及するには、加害者に不法行為の責任を理解する能力が必要です。この能力のことを「責任能力」といい、おおよそ中学生以上の子供であれば責任能力があるとされています。

 

 小学生が自転車に乗っていて他人に怪我をさせれば両親が代わって損害賠償責任を負いますので、被害者は両親を相手に治療費等を請求していくことが可能ですが、さすがに高校生ともなると、バイクに乗っていて他人に怪我を負わせれば自分にどんな責任が発生するか理解できますので、たとえ未成年者であっても高校生自らが賠償義務を負わなければなりません。この場合、両親は原則として責任を負いません。

 

親が責任を負わなければならない場合とは?

 

 しかし、両親に、子供が事故を起こす具体的な可能性を予見させる事情があり、これを回避することも可能な状況があれば、両親には、自らの子供に対する監督責任を怠った過失がありますので、被害者は両親に対しても、直接不法行為を根拠に損害賠償を求めていくことが可能です。

 

 質問者のケースでは、高校生の子供が、日頃から無免許あるいは交通違反を繰り返していた、免許を取り立てで直前にも同様の交通事故を起こしていた、両親が高校生の無謀な運転を見て見ぬふりをしていた、などの事情があれば、両親も子供が事故を起こすかもしれないことを具体的に予見できたと言えますので、治療費等を請求していくことが可能です。

 ただし、過去に事故を起こしたこともなく、具体的に事故を予見させる事情がなければ両親の責任を問うことはできません。

 

運行供用者責任とは?

 

 また、両親が、自動車損害賠償保障法3条が定める「運行供用者」にあたれば、物損以外の治療費等の損害に限り、補償を求めていくことが可能です。

 

 運行供用者とは、自己のために自動車を運行の用に供する者、つまり、自動車の運行について利益を得、自動車をコントロールする立場にある者のことで、自動車の所有者がこれにあたります。質問者のケースですと、バイクも自動車にあたりますので、両親がバイクの所有者であれば、両親に対して補償を求めていくことが可能です。

 また、両親が所有者である場合のほか、子供にバイクを買い与えていた、バイクの維持管理費を両親が負担していた、などの事情がある場合も、「運行供用者」として責任を追及できる可能性がありあす。

 

 なお、運行供用者の責任を問う場合の補償の対象は、人身損害の補償に限りますので、自転車の修理費等の物損の補償を求めることはできません。

 

⇒弁護士好川久治の交通事故問題に関する情報はこちら

 

⇒港区虎ノ門の弁護士好川久治への相談・問い合わせはこちら

 

ヒューマンネットワーク中村総合法律事務所
弁護士好川久治
℡03-3501-8822|9:30~18:00
東京都港区虎ノ門1丁目4番5号 文芸ビル8階

 

投稿者: 弁護士好川久治

2015.04.02更新

Q.夫が仕事帰りに自転車で交差点を渡っていると、居眠り運転のトラックがぶつかってきて夫は1週間後に亡くなりました。私には小学生になる子供が一人います。事故後の入院費と葬儀費、雑費など主な費用は支払ってもらいましたが、その他の損害の精算は未了です。このたび、保険会社から示談金の提示がありましたが、金額がかなり低く、これからの子供との生活を考えると不安です。

 

A.当面の生活資金はご自身の保険から!

 

 まだ小さいお子さんがおられるなかで一家の大黒柱を事故で亡くした悲劇は、悲嘆にくれる暇もなく、残された遺族の将来の不安へと変わっていきます。

 

 まず考えるべきことは、ご自分の保険を利用できないかどうかです。生命保険に加入していれば、災害死亡の保険金が出る可能性がありますし、亡くなった夫あるいは家族が加入するご自身の自動車保険の人身傷害補償特約により、まとまった保険金がおりることがあります。

 

自賠責保険や労災保険で当面の生活資金を賄う!

 

 また、加害者の保険会社が提示する補償内容に納得ができず、加害者との係争が長引きそうな場合でも、加害者の自賠責保険の被害者請求により、死亡事故の場合、最高で3000万円の支払を受けられますので、これを請求して加害者との未請求の損害賠償を巡る係争に備えることも可能です。

 

 このほか、勤務中、通期途中の事故なら勤務先の労災保険の申請により遺族(補償)年金を受けられる可能性がありますし、各種年金の遺族年金も受けられますので、よく調べる必要があります。

 

残された損害は調停あるいは裁判で請求していく!

 

 最後に、加害者に対しては、未請求分の損害賠償を求めて調停や裁判を起こすことが可能です。亡くなるまでの搬送費、入院治療費、入院雑費、付添看護費、休業損害、入院慰謝料、葬祭料、死亡による将来逸失利益、死亡慰謝料など亡くなった夫が請求できる請求分のほか、遺族である妻、子が固有に被った精神的損害も併せて請求することが可能です。

 

⇒弁護士好川久治の交通事故問題に関する情報はこちら


⇒港区虎ノ門の弁護士好川久治への相談・問い合わせはこちら


ヒューマンネットワーク中村総合法律事務所
弁護士好川久治
℡03-3501-8822|9:30~18:00
東京都港区虎ノ門1丁目4番5号 文芸ビル8階

投稿者: 弁護士好川久治

2014.11.27更新

Q.事故を起こしたときに注意することは?

 

A.交通事故では、事故がどのように発生したかが争いになることがよくあります。事故の発生の仕方によって、損害賠償の過失割合や、刑罰の要否・程度が変わってくるからです。

 

 誰でも自分の責任を軽くしたいと思うのが人情ですが、必ずしも意図的なものばかりとは限らず、突然のことで事故直前の車の動きを見ていなかったり、記憶が失われていたり、勘違いをしていたりと争いとなる原因はいろいろです。

 

 争い方も、事故直後に意見が食い違う場合もあれば、最初は非を認めていたのに時間が経つにつれて全く違うことを言い出して責任を回避しようとする場合もあります。

 

 いずれの場合も、事故態様について争いがある以上、証拠によって証明していかなければなりません。このとき、証拠価値の高い証拠をたくさん持っている方が有利です。

 最近はドライブレコーダーを常備している車が増えてきましたので、証明手段としては非常に心強いです。

 

 もしドライブレコーダーがない場合は、どうすればよいでしょうか。


 とにかく事故直後に周りを見渡して証拠となりうるものがないかどうかを確認することが大切です。
 

 目撃者がいれば連絡先を聴いて後日証言してもらう、近くに防犯カメラを設置しているお店等がないかどうかを確認して録画を保存しておいてもらう、スマートフォンや携帯のカメラで現場の様子をカメラやビデオに収める(事故車両の破損状況、ブレーキ痕、相手車両を発見した時点、ブレーキをかけた地点、衝突箇所、車両の位置関係などが分かるように撮影します)、ビデオに収めるときは、事故直後の記憶をもとに、撮影対象が何を意味するかを解説する音声を録音しておく、などです。

 

 決定的な証拠がなくても、相手の言い分と矛盾する客観的証拠(動かしがたい証拠)があれば、相手の言い分を崩すことが可能です。争点が少なければ少ないほど示談交渉も進めやすくなり、紛争の早期解決につながりますので頭に入れておきたいところです。

 

 ところで、事故直後に当事者間で穏便に話しをつけようと警察を呼ばないことがありますが、これは危険です。事故を起こした以上、運転者は警察に通報することが法律上義務づけられています。

 

 あとで事実関係が争いとなったときに警察に届け出ても、警察は捜査に難色を示します。
 事故直後であれば当事者も事故を素直に受け止めて、あれこれ考える暇もありませんので、より真実に近い証言が得られますが、時間が経てば経つほど人は自分に有利になるよう話を作り変えようとする傾向がありますので、警察も何が真実かを把握できなくなるからです。

 したがって、事故を起こした場合は、物損事故でも人身事故でも、直ちに110番通報をして警察に臨場してもらってください。

 

 また、人身事故の場合は、物損で終わらせることは極力避けるべきです。物損扱いですと、警察を呼んでも事故に関する当事者の言い分が簡単なメモ程度にしか残りませんので、あとで事故態様が争いとなったときに困ります。

 

 人身扱いとすれば、事故直後あるいは事故後近い時期に、当事者が立ち合いのうえ現場検証をしますので、道路状況、路面状況、スリップ痕の痕、交通規制、当事者から見た事故発生前後の様子、破損した事故車両を撮影した写真などが実況見分調書や写真撮影報告書として残ります。

 

 裁判になれば、これらは大変有効な証拠となります。裁判所は、これらの証拠書類、当事者の言い分、交通事故鑑定人の意見などを踏まえ、経験則に基づき事実を認定します。

 

 もし、証拠が乏しく事故態様が証明できない場合は、いずれの主張も採用されず、一般的な過失割合で決着をつけざるをえません。それが自分に有利な結果であればよいですが、不利な内容ですと、嘘をついた者が得をする結果となり正義に反します。

 

 どんなに小さいことでも事故直後から証拠を収集するという頭で動くように心がけることが必要です。

 

⇒弁護士好川久治の交通事故問題に関する情報はこちら


⇒港区虎ノ門の弁護士好川久治への相談・問い合わせはこちら


ヒューマンネットワーク中村総合法律事務所
弁護士好川久治
℡03-3501-8822|9:30~18:00

東京都港区虎ノ門1丁目4番5号 文芸ビル8階

投稿者: 弁護士好川久治

メールでのお問い合わせはこちらから tel:03-3501-8822
初回相談30分無料 tel:03-3501-8822
弁護士好川のシェアしたくなる話
Q&A
実際の解決事例
あんしん相続相談ガイドに掲載されました。
あんしん相続相談ガイドに掲載されました。