2014.11.02更新

 こんにちは。港区虎ノ門の弁護士好川久治です。

 

 最近、小学校や中学校で、友達同士で喧嘩をして怪我をしたり、反対に相手に怪我をさせてしまったり、という相談をよく受けます。

 直ぐに治る怪我なら、大事にせずとも当人同士、あるいは学校が間に入って親御さんらで謝罪をして解決することが多いのですが、被害児童が骨折をしたとか、歯を折ってしまったとか、頭を打って入院をしたとか、結果が重大な場合は、タダでは済みません。

 そこで、子供が学校で喧嘩をして怪我をし、あるいは怪我をさせてしまったときの問題について考えてみたいと思います。

 

 子供は、小学校を卒業するかしないかの年齢までは、法的に責任能力がないとされます。したがって、人に怪我をさせても損害賠償責任を負いません(民法712条)。自分の行為が法的に責任を問われることを理解するだけの能力がないとされるからです。この場合、法定の監督義務者である親が子供に代わって責任を負わなければなりません(民法714条1項本文)。

 

 親は、子供に対する必要な監督を怠らなかったこと、あるいは監督を尽くしても被害の発生を避けられなかったことを証明しなければ責任を免れません(民法714条1項但書)。しかし、これがそんなに簡単なことではありません。
 単に、日頃から子供に、「人に迷惑をかけてはいけない」、「他人に暴力をふるってはいけない」、「お友達をいじめてはいけない」などと言い聞かせていただけでは監督義務を果たしたことにはならないからです。

 

 これに対し、中学生にもなると、子供自身に責任能力が認められるようになりますので、他人に怪我を負わせたら子供自身が損害賠償責任を負わなければなりません(民法709条)。
 もちろん、親も子供を監督し、教育すべき義務を負いますので、日頃から子供がよく喧嘩をする、粗暴な行動をとる、などで問題を起こしていたのに放置していれば、親自身が被害児童に直接損害を賠償しなければなりません(民法709条)。

 

 例えば、以下のような事例で親の責任が問題となっています。
(親の責任を認めた事例)
 中学生同士のいじめや暴力で怪我を負った事件で、親が加害児童の日頃の喫煙、ピアスの着用、粗暴な行為、不良グループの結成等の問題行動を放置し、あるいは気づいていなかったことに監督義務違反を認め、400万円の損害賠償責任を認めた事例(さいたま地裁平成15年6月27日判決)。
(親の責任を否定した事例)
 中学校の教室で、カーテンフックを直そうと机上に椅子を置き足場として作業中の女子児童が、男子児童から椅子を足蹴りされたため転落死した事故で、加害児童がおとなしく真面目であったこと、事故前に他人に暴力を振るったり、暴力を振るうかのような言動があったとは認められないこと、親が加害児童の問題性に気づかず、これを放置した事情も見当たらないとして親の責任を否定した事例(富山地裁判決平成14年11月27日)。

 

 ただ、仮に親の責任が否定される場合でも、わが子に責任を負わせたまま被害児童の救済に目を向けない親もいないでしょうから、被害児童の親から補償を求められたら、親が子供に代わって損害を補償していくことになるのが通常です。

 

 ちょっとした喧嘩でも、被害が重篤であれば、損害は数百万円、数千万円に達します。怪我による損害は、個人賠償責任保険が適用されないことも多いですので、親としても他人事では済みません。

 子供同士のしたことだから仕方がないとか、被害児童にも非があったとか、学校にも責任があったとか、いろいろ言いたいことがあるでしょうが、まずは被害を受けた児童が苦しんでいる現実を直視して、どうやって問題を解決していけばよいかと考えていくことが大切です。

 

 次回は、友達に怪我をさせてしまった場合にどう対応すればよいかを考えてみたいと思います。

 

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あんしん相続相談ガイドに掲載されました。
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