2015.03.09更新

Q.妻とは結婚して10年になります。妻との間には小学生の子供2人がいます。妻は数年前から会社の上司と不倫関係にあり、上司の子を妊娠中絶したこともありました。私は離婚を決意し、調停を申し立てましたが妻が応じません。私には亡くなった父から相続した土地建物があります。離婚する前に私が死んだら、このような妻に対しても遺産を残さなければならないのでしょうか。

 

A.離婚裁判中でも夫婦である限り相続権がある!

 

 離婚を決意しても相手が応じなければ家庭裁判所に調停を申し立て、離婚の協議をしなければなりません。調停でも結着がつかなければ離婚裁判を起こさなければなりません。

 離婚原因となっている事情について双方の主張が真っ向から食い違っている場合はもちろん、そうでなくても子供の親権者をいずれにするか、養育費をいくらにするか、子供との離婚後の面会交流をどうするか、財産分与の方法、慰謝料のことなど、様々な点で折り合いがつかず、裁判になっても相当時間を要することがあります。


 その間に事故や病気などでいずれかが亡くなれば、婚姻関係は死亡により当然終了し、離婚は成立しないまま裁判手続は終了してしまいます。また、死亡時点で法律上夫婦関係があったなら生存配偶者は死亡した配偶者の遺産を相続する権利があります。これは夫婦関係が破綻をして離婚裁判になっていても同じです。

 

 質問者のケースは、妻が浮気をして他人の子を妊娠中絶するなど質問者の信頼を裏切り、夫婦関係を破綻に導いた非がありますので、質問者が財産を相続させたくないと思う気持ちも理解できなくありません。特に、夫婦で築いた財産ではなく、亡くなった父から相続した土地建物があるならなおさらでしょう。

 

遺言を残すことを考える! 

 

 このような場合は、早い時期に自らの全ての財産をお子さんやその他の方に相続させる遺言を残しておくことにより、妻に遺産を残すことをある程度防ぐことが可能です。遺言は、後で効力を争われることがないよう、公証役場で作成されるのがよいと思います。

 

 しかし、これだけでは、妻には法律上最低限保証される相続分(遺留分、質問者の場合は4分の1)がありますので、妻が遺言で遺産を受け取ることになった者に対し、遺留分減殺請求権を行使して財産の返還を要求してくる可能性があります。

 

相続人の廃除の審判を申し立てる!

 

 そこで、妻に遺留分の主張をさせないため、妻を相続人から廃除する手続をとることが考えられます。相続人の廃除は、兄弟姉妹以外の相続人となる者が、被相続人に対して虐待をしたり、重大な侮辱を与えたり、あるいはその他著しい非行があったりするときに、その者から遺留分を含む相続の権利を失わせる制度です(民法892条)。

 

 廃除の手続は、生前に家庭裁判所に対して調停、審判を申し立てることによって行いますが、遺言によっても可能です。必ず認められるとは限りませんが、相手との交渉にあたって有効な手段となるでしょう。

 

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あんしん相続相談ガイドに掲載されました。
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