2015.07.28更新

Q.先日、夫が自転車で歩道を走っていると、建築中のビルを覆う鉄製の囲いが倒れて夫はその下敷きになってしまいました。救急車で運ばれて幸い足の骨折だけで済みましたが、事故以来入院して会社を休んでいます。工事の施工監理の会社の担当者が見舞いに来てくれましたが、今後、治療費や会社を休んだことによる収入の補償など、誰に請求していけばよいのでしょうか。

 


A.施工業者、施主

 

 工事業者のどの段階に落ち度があったのかによりますが、原則として工事の施工業者を相手に治療費等を請求することになります。

 

 施工業者が誰であるかは、工事現場に、建設業法に基づく「建設業の許可票」や労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則が定める「労災保険関係成立票」に建設業者あるいは事業主の名称が記載されていますので、そちらで確認します。

 

 施主である注文者に対して責任を追及することができるのは、注文者が事故の原因となった囲いの設置についてした注意や指図の内容に落ち度があった場合に限ります。

 

設計者、工事監理者

 

 設計上のミスや、工事監理上のミスが原因となった場合には、設計に携わった設計者、工事監理者に対しても治療費等を請求することが可能です。
 設計者や工事監理者が誰であるかは役所の建築指導課で建築計画概要書を閲覧謄写すれば確認できます。

 

 下請業者の施工ミスが原因となる場合には下請業者に対しても請求可能ですが、小規模事業者の場合は建設業者を通じて確認しなければ分からないことが多いです。

 もっとも、下請業者の落ち度であっても、元請業者、工事監理者との間に雇用関係あるいはこれに準じる指揮監督関係があれば使用者として元請業者や工事監理者に対しても請求していけることが多いでしょう。

 

刑事記録をチェック

 

 また、重症事故であれば、業務上過失致傷罪で警察が立件し、罰金等の刑事処分が科せられる可能性がありますので、刑事確定記録を閲覧謄写することにより、事故の原因や事故の責任者を確認することが可能です。

 

 なお、通勤途中の事故であれば通勤災害として労災保険に給付を請求することも可能です。

 

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あんしん相続相談ガイドに掲載されました。
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