2015.03.15更新

自転車の違反運転者に対する講習制度がいよいよ始まる!

 

 平成27年1月20日、悪質な違反を繰り返した自転車の運転者に安全講習を義務づける改正道路交通法の施行令が閣議決定され、同年6月1日から施行されることが決まりました。

 これは、信号無視や酒酔いなど14項目の悪質な違反(危険行為)で3年以内に2回以上摘発された運転者に、都道府県の公安委員会が安全講習の受講を命ずるものです。

 命令に従わない者に対しては5万円以下の罰金が科せられます。

 自転車が絡む事故が交通事故全体の2割を占める現状や、悪質な自転車運転者による重大事故発生の増大を受けた対策です。

 

自転車の交通違反に対しても罰則が科せられる! 

 

 自転車は道路交通法上の車両(軽車両)ですので、同法違反の行為に対しては、自動車やバイクと同様、刑事罰を科せられることがあります(法第2条1項8号11号)。

 最近は、携帯電話を使用しながらの自転車の運転や、酒酔い、信号無視、一時停止義務違反などによる重大事故が問題となっています。

 

 酒酔いを例にとれば、自転車も、自動車・バイクと同様、酒気帯び運転が禁止され(法65条1項)、酒酔い運転、つまり「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれのある状態で自転車を運転した場合」には罰則の適用もあります(法117条の2第1号、65条1項、117条の2の2第3号)。

 罰則は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金と非常の重く、自転車を運転していて人に怪我をさせたり、死亡させたりした場合の重過失致死傷罪(刑法211条1項後段)と同程度の重さです。

 

 また、自動車・バイクと同様、自転車の運転者だけでなく、同乗者や自転車を貸し与えた者、お酒を提供したり勧めたりした者も処罰されます。

 自転車を貸し与えた者には、酒酔い運転をした者と同じ5年以下の懲役又は100万円以下の罰金(法117条の2第2号、65条2項)が、お酒を提供したり勧めたりした者には、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金(法117条の2の2第5号、65条3項)が科せられます。

 

悪質な自転車運転者には、自動車の免許停止処分が課せられることも!

 

 また、酒酔い運転で人身事故を起こせば、被害者に対し民事上の損害賠償責任を負い、怪我の内容によっては数千万円もの損害賠償を命じられることがあります。

 

 さらに、自転車には運転免許制度はありませんが、飲酒運転を繰り返す悪質な運転者や飲酒ひき逃げの人身事故を起こした者などの悪質運手者に対しては、たとえ自転車の違反であっても、運転免許保有者に対し、「点数制度によらない行政処分」として、6ヶ月を超えない範囲で自動車等の運転免許停止処分が下されることもあります(法103条1項8号、施行令38条5項2号ハ)。

 

 「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」のキャッチフレーズが自転車にも適用される時代になりました。

 なお、酒酔い運転の罪は、自転車の「運転」行為に対して成立する犯罪ですので、自転車を押して歩いていれば問題ありません(法2条3項2号)。

 

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2015.03.12更新

スリップストリーム

 

 車のレースでは、前を走る車を追い抜くために先行車のリアギリギリに接近することがよくあります。これは空力を利用した追い抜きの仕方で非常に有効な場合があります(スリップストリーム)。

 

 しかし、これを一般道でやると大変なことになります。昔、高速道路でスリップストリームを利用して追い抜きをしようとした車両が先行車に衝突して運転者が死亡する事故がありました。

 

あおり行為等で重い罰則も! 

 

 道路を走っていると、速度制限を超えて走行する後続の車両が、速度の遅い先行車両をあおる行為をよく見かけます。しかし、先行車両の急な減速等により追突事故が起きれば大惨事につながります。道路交通法では、車両は、先行車両が急に停止したときでも、これに追突することなく回避できるために必要な車間距離を保つことが義務づけられています(同法26条)。

 

 車両は、運転者が危険を感じてブレーキを踏むまでのわずかな時間でも前進します。実際にブレーキが効きはじめるまでの距離を空走距離と言いますが、車両が停止するには、この空走距離に加えて、ブレーキが効き始めてから車が停止するまでの制動距離が必要です。運転者は、この二つの距離を十分に考慮して先行車両との距離を保たなければなりません。

 

 道路でのあおり行為等、危険な行為に対しては、上記道路交通法の車間距離保持義務違反となり、違反点数2点、反則金6千円~1万2千円を課せられ、反則金を納めなければ3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金に処せられます(同法119条1項1号の4、同法26条)。

 

 また、あおり行為等により事故を起こし、人を死傷させれば、危険運転致死傷罪として、負傷させた場合は15年以下の懲役に、死亡させた場合は1年以上20年以下の懲役刑に処せられます(自動車運転死傷行為処罰法2条)。

 

思いっきり走りたいならサーキット場へ!

 

 急いでいるからと、周りの車両の運転手の運転操作を誤らせるような危険なあおり行為等は厳に慎まなければなりません。

 

 思いっきり走りたいならサーキット場へ行くとよいです。簡単な講習を受けなければなりませんが、サーキット場のルールを守ってさえいれば、スピード違反の心配はいりません。

 

 サーキットで走ると、自動車の性能がよくわかり、確実に運転技量も向上します。一般道では、自然と安全運転を心がけるようになりますので、一度チャレンジしてみてください。

 

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2015.03.06更新

追い越しは直近右側から制限速度内で!

 

 高速道路で、本線車道の一番右側(追越車線)を走行していると、後続の車両が本線車道の左側(走行車線)に車線変更をして左側から先行車両を追い越していくことがあります。

 

 しかし、車両は、先行車両を追い越そうとするときは、走行する直近右側を通行しなければいけません(道路交通法20条3項)。高速道路上、二輪車が四輪車の間をジグザグしながら追い越していく行為も違反となる可能性があります。

 

 これに違反した場合は、道路交通法の追越し違反となり、違反点数2点、反則金6千円~1万2千円を課せられ、反則金を納めなければ5万円以下の罰金に処せられます(同法120条1項3号、同法20条3項)。

 

 左側からの追越し行為は、速度の遅い車両への追突や、周囲の車両の運転者の目測を誤らせ、事故を誘発する危険な行為です。

 

 なお、追越しをする場合でもその道路における最高速度を超えてはならないことは言うまでもありません。

 

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あんしん相続相談ガイドに掲載されました。
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